表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
天啓がありまして
2199/2364

- C 1053話 蒼とわたし、そして... 3 -

 羽虫が消えた後に残った、キラキラと。

 虹色に輝く――糞。

 天使曰く、

『それ、妖精たちからの最後の悪戯ですね! 愛や恋を与える()()()に仕えるとされる者たちが、いろんな歴史と伝説を紡いできました。キューピッドというのも、天使のようなコスプレと啓示はっちゅうを受けるまでは、普通の妖精だったんです。最近は調子乗りすぎてますがね』

 で、その...糞と何か関係が?

『別に関係はないんですけど。調子に乗った若者たちの末路と似てませんか? あの脂ぎったバーコード頭の醜いおっさんどもが、最後にひねっていった汚物がキラキラと補正されている現実に』

 おい。

『天界の配慮で』

 マジかよ。

 この幻想的で、非現実的な輝くのはエフェクトの類で補正、補完された映像マジックだと!?

 しかも監修が天界で。

『いい反応です! ま、糞ですけど... 運気は向上しますよ、うん〇だけに』

 やめなさい。



 そんな光り輝くもんに目を輝かせる子がある。

 そのひとりに“あおい”がいて、マルも手折った枝にマロン型のを突き刺して――。

 それ、絶対、何か知ってて突き刺してんだろ!!!

 キレるわたしの反応を見て楽しんでいる様子。


 マルもいっぺん、グーで殴る。


 だが、そのまえに。

「会長!! あなたですよ」

 光り輝く物体を頭に載せた、男がわたしの背後にあった。

 運気でも上げて、輝く自分に酔ってるタイプかな。

「ふふ、いずれも花になる僕の魅力に抵抗できなくなったかい、子羊ちゃん」

 身長169センチメートルにも達する、わたしに子羊ですと。

 外野からは『良くてヒグマ、悪くてゴリラ』なんてのが聞こえたので、一喝入れておく。


 シャアアアアッ


 これで暫く、わたしは蛇女にになって。

 最後はメデューサとか、ゴルゴーンだとか言われてるんだろう。

 この赤い巻き毛が蛇頭の髪にでも見えてくるんだろう、な。

「ノン、ノンノン。僕は君のぼっさぼさで脂ぎってるっぽい感じの乱れた髪は好きだよ。こう、指で撫でたら、枝毛に邪魔されて。君が痛い痛いと、涙を流して泣くトコまでしっかり見えている」

 あ、いや。

 泣きはしないけど。

 手櫛で髪をいて、引っ張られたら。

 その場にてグーで殴り倒しますんで、お気遣いなく。


 てか、邪魔すんのも大概に。


『なんて、非常識な!!』

 天使さん、会長の取り巻きっ子みたいなセリフ、混ぜんのもやめて。

『臨場感出ませんか?』


「いや、逆。腹立つし、マジで天使おまえから殴るぞ!」

 腰をひねり、内股でやや膝を負った窮屈なポージングで――「僕は身長差なんて気にしない。だって、君の魅力はその“おっぱ”...」

 最後まで聞かずに張り倒してた。

 ま、聞いてても殴り倒すし。

 耳が腐った気がする。

 あおいも察したように、

天心こころさんの魅力はバストの大きさではなく、懐の深さと、谷間に挟まれた時の暖かさです!! あおいはバカだけど、ちゃんと分かってるんですよ。会長の頭の上の()()を、()()だと指摘しないやさしさにあなたは、打ち震えて反省するといいんです」

 まあ、ここまではいい。

 取り巻きがぎゃんぎゃん、騒いでたんだが。

 あおいは最後に、

天心こころさんの前に出るのならせめて、そのお粗末な胡瓜を()()()に育ててから出直しなさい!!」

 この言葉がトドメになったようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ