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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
天啓がありまして
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- C 1044話 気になる子が、4 -

あおいはいつも一人なので、平気ですよ?」

 なんだか吹っ切れたようなことおっしゃてますが。

 その顔が、何も考えてないことを表してましてね。

 ぽか~んとしてて。

「ぽか~ん」

 なんて、つぶやいてる。

 いやいや。

 そこはもっと自分をもとう!!


「よう、彼女? 何してんの」

 マルちゃんのツレが、あらわれた。

 八ッ橋 エリザが、()()()あおいに声を掛けてる。

 っ、ナンパか!!

「え~とですね」

 天使の袖を詰まんで、引き寄せて。

「この方を描いてました」

 同人誌のモデルにするって、紙一杯に天使を描いてた。

 様々な表情がある。

 もはや、切り取り動画のような変幻さ。

「おお! これがマルちゃんの言ってた“中の人”か!!」

 感動している方向性が違うな。

 もっとあおいの絵を褒めろよ。



「あっれ~ もしや嫉妬ですかあ?」

 いちいち癇に障るなあ。

 そうだよ、悪いかよ。

「いやあ、ラブラブは結構なことじゃないっスか」

 ニマニマすんな、気色悪い。

 こいつらのせいで、わたしの助走はがたがただよ。



 メガネを外すと、つぶらな眼がひときわ可愛らしく見える。

 あおいにぎゅっと胸が苦しくなって。

 こう...

『キュンキュン来るんですよね! わかります』

 天使出た。

『受肉したんですから、天心こころさんから離れませんよ』

 わたしが身体を支配している時は、存外、自由に行動しているように思える。

 逆にわたしが身体の支配を手放すと――体の内側へと引き込まれていくんだけど?

『それは当然、これが(乳を指しながら)あなたの持ち物だからですよ。身体から出て浮遊してたら、死神に勘違いされて、あの世ゆきのバス亭まで誘導されますよ、マジで』

 魂魄が剥がれやすくなると、より多くのトラブルに巻き込まれるという。

 わたしは教室では浮いている。

 いつも外ばかり見ていて、授業ではちっとも身に入っていない風に思われてるんだけど。

 その意味は、だ。

 窓枠に天使が腰かけているからだ。

 それもキラキラと輝いた金色の巻き毛と、ふわっふわな羽毛の翼を生やした不思議な生き物で。

 魅力的で健康的な四肢にみとれてしまう。

 だが、きゅんとは来ない。

『そこが無念です』

 なにが。

『あ、こっちにもいい女がいますよ~的な、です』

 ああ。

 お前はさ、()()()()の意味が違うんだわ。

 わたしの胸を気が付くとまさぐってるだろ。

 それが気になって気が許せる暇がないんだわ。

 頼むから、学校でそれ、すんなよ。

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