- C 1039話 天使と同居します 2 -
「おひょひょひょ~ 受肉ははじめての体験ですが!! いや、あなた自慢のおっぱいしてますね。いや、これは気持ちいいの一言ですよ。乳〇の先を擦ると少しヒリヒリして痛い方ですけど、ね。慣れるとこれでもオーガニズムに達すると、本に書いてありました!!!」
自慢というか。
いや、大きく育ちすぎて正直、うっとうしい。
仰向けになると肺を圧迫するし。
左右に垂れて引っ張られる気がする。
重力の井戸に魂が引きずり込まれるような――
「それ、かなり前のTVアニメの引用ですか?」
「知らないよ、そんなことはどうでもいいから揉まないで!! いあ、マジで揉むな...〇首が勃つから」
やめろっても聞きやしない。
だけど、なんだろうなあ。
こいつとの会話が楽しくて仕方ないっていうか。
飽きねえけど。
そんなんでいいのか。
そもそも洗面所に何しに来たよ?
「なあ、忘れてたことがある」
「おしっこですか? うん...」
「ちがーう!!」
おめぇーなあ、女の子がどうのって言っといて。
そこ、デリカシーがねえのな!
こ、んにゃろーがっ。
「じゃ、生理、きました?」
股下を必死に見てる。
いあ、覗いてる。
めくってる...
「おい!」
「はい?」
ったく。
「遅れる」
「えっと、周期が?」
「其処から離れろよ! 不摂生してるからカレンダー通りぢゃねえよ!! 言わせんな。わたしの登校が、出席日数が怪しくなるから...つまり、その、シャワーを浴びて...だな、小奇麗にして学校に行くんだよ!!!!」
察しろ、馬鹿が。
目の前の天使が顎下に両手を当て。
「やだ? 臭うんですか?」
ちげぇーよ。
それがエチケットだろがよ!!!
◇
つうか腹が立つ。
いや、何に怒ってるってわけじゃないけど。
わたしに天使の翼が生えてんなら、だ。
飛べても不思議じゃねえだろって... 話だなあ、これが。
『これ、普通の人には見えませんから。ワイヤーアクションしている女子〇生が、急に現れたような衝撃を通勤、通学中の人工島みなさんに目撃されて、たぶん酷い目に合うと思いますよ? 天界でも極力、ネットの海に上がった投稿にはモザイク掛けていきますけど』
ちょ、ちょっと待て。
JK捕まえて、だ。
どこ伏せ文字にしてんだよ、中でも大でもねえよ、高でいいだろ、其処は!
『えー』
つか、天界ってとこも上がったら消してくれよ。
『天心さんは欲しがり屋さんですか?』
ニマニマすんな。
ちくしょー。
なんかリズムが崩されるなあ。
「欲しがってねえよ、気遣いだ、気遣い」
天使の姿は他人には見えない。
それも言ってほしかったね、そん時は。
斜め上に怒鳴ってる少女がいるってちょい話題に上り、そんでベターな流れだけども。
曲がり角に差し掛かったところで――
運命と、わたしが衝撃の遭遇を果たす。
よくある流れさ。
食パン口にくわえて、他人とぶつかるシーン。
わたしのは...