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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2173/2359

- C 1027話 プリズンブレイク 2 -

 ボクたちが反政府活動家に襲撃され、それらを手際よく巻いてやった直後。

 人工島の自治政府に激震が走る。

 簡単に言うと、マフィアのボスたちが収容されている、重犯罪者刑務所が襲撃されて。

 難攻不落と謳ってた施設が陥落したという事実。


 さらに最悪なことに。

 施設職員と特殊武装警察隊の生存者が複数名、人質にされているというのだ。

 ほうほうの態で逃げ回って、マーカス王立魔法学園に帰還できた傭兵ボクらに再び白羽の矢が立つ。

 いや、なんでって話だ。

 仲介人として立つのが()()() ()()()、その人で。

 エサちゃんとは親族だという。

 まあ、ボクと十恵ちゃんみたいな関係だな。

「自治政府からの追加オーダーです」

 後ろ手に腕を組み。

 線の細い雰囲気があるのに、こう目が離せない鋭利さを感じる。

 殺気ではないけど。

「かがね姉さまはね、四ツ橋警備保障で働くオフィスレディーなの!!」

 無邪気なエサちゃんは珍しいけど。

 そんな、OLには見えませんけど。

 むしろ...

「詮索はしないで頂きます。姪っ子の夢も砕かないように」

 あ、やっぱり。

 エサちゃんは察してないけど。

 ボクと同類かよ。



 八ッ橋が用意した車両は、バス。

 50人は余裕で乗れる大型の方で――窓は二重で、防弾仕様。車体はセラミック製の特殊装甲のようだし、部下の何人かはモジュラー装甲じゃないかって疑ってた。まあ、それなら6輪のこのバスはさながら『回送』中の路線バスを模した装甲車両ってことになる。

 そんなに物騒なトコへ行くんですかい。

依李紗エリザが変な()()()()しているからね。こっちも、それなりにこの子を守る義務があるわけよ」

 まあ、守られてるばかりのエサちゃんじゃないから、お姉さんに反論して食ってかかってみたけど。

「言いたいことはわかるけど。依李紗あんたは八ッ橋家の血統を次代に繋ぐ大切な人材なわけ。若いうちだから方々で遊んでても構わないけど、いつかは家に従わなきゃならない。御爺さまの意向には逆らえないけどね」

 ちらっとキツイ視線がボクに刺さった。

 司馬 丸恵が男の子ならば少々、やんちゃが過ぎても大目に見てもらえたかもしれない。

 いあ、八ツ橋グループの人々に、だ。

「...どうしても、コレじゃないとダメ?」

 ボクに刺さる指。

 ぐりぐり抉ってくるような指圧を感じつつ。

 が、

 ぴたりと止まった。

 ハナちゃんよりも、十恵ちゃんが指を掴んでた。

 おっと、お姉ちゃん同士の戦いか?!

「うちのマルは大人しくて、寂しがり屋な子なんだ。コレと呼ばれる筋合いはない」

 生活のほとんどを、八ツ橋に支援して貰っているごく潰しですけどね。

 まあなんていうか。

 プライドはあるんですよ、それなりに。

「なら、その従順さを追加オーダーで遺憾なく発揮して貰いたいものだな?」

 宥めるエサちゃんの声もむなしく。

 現地に到着すると。

 銃弾飛び交う戦地に送られてた。

 おっと、ハナちゃんとエサちゃんは、かがねさんの監視の下に拘留されてた。



 ま、それはそれで結果、オーライだわ。

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