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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2162/2368

- C 1016話 アンダーグラウンド・ゼロ 6 -

 気にしてるの?って、耳元で囁いたらツネられた、ボク。

 エサちゃんが気にしてた敵の動向だけど。

 階段に仕掛けた閃光弾で、殺到してた前衛の連中が顔を覆って転がってる。

 閃光弾の爆発も。

 顔や手の柔らかい部分に食らって無ければ、火傷も軽度で済む。

 けど...


 上がれ、上がれとせっつかれてたし。

 四つん這いになって階段を這ってたりしたら。

 ちょっと分かんないなあ。



 階段で貰い事故があれば、

 普通、慎重になるだろう――ひとつ、ふたつは警告としての非殺傷兵器が仕掛けてある。

 人工島の内側で無かったら、当然ともいう形でトラップのワイヤー先には、手りゅう弾がくくられてある。足止めは勿論のこと、屍を越えて来る敵の数は出来得る限り減らしておくに限るからだ。

 足を上げる先で、ひとつ。

 ピンと張ったワイヤーが見つかるようにして。


 びっくりして引き戻す先で、もうひとつ。

 ワイヤーのサンドイッチで――ドカン。


 もっと近寄らせないなら。

「何を使うの?」

 興味本位か、或いは話題つくりか。

対人地雷クレイモア

 彼女の瞳から光が消えた気がした。

 指向性対人地雷とも言われ、爆薬の力で鉄球ほどの礫を放射状に飛ばす。

 今、中央駐屯地へ投じられている擲弾筒と原理は同じ事だ。

「え、えぐ...過ぎ、もうちょっと、一瞬らくにあの世に送ってあげなさいよ!!」

 別の方向性で怒られた。

 えー、あっさり死んだら、恐怖なんて刷り込まれないじゃ~ん。

「また、そんなことを」

 今度は呆れられた。

 手りゅう弾ともなれば、階段だけでなく建物にも聊かな被害が出るだろう。

 爆破される可能性で建築はされないだろうから。

 対人地雷クレイモアは爆薬量が少ない。

 爆殺ではなく、鉄球を飛ばしたい方向に定める力さえあればいい。

 もっとも覆い被されば爆死にもなるし。

 無数の鉄球が飛んできて致命傷にもなる。

「あっさりか、否かはその時々に由るんだよね。実際...」

 理不尽による死か、不運による死か。

 反政府活動家の別動隊。

 ホテルに侵入してきた彼らの目的は、政府に関係する人物が当該ホテルに()()という情報のみだ。同じ思想を持つ同志からネタを得たようで、どうしても諦めきれない事情があって。

 学生っぽい同志が傷つき倒れても。

 彼らは前に進んで。

 やっぱり傷ついた。


「おっと」

 今のはクレイモアだ。

 発煙弾に、催涙弾、閃光弾といろいろ混ぜて、士気を挫いてたんだけど。

 そんな警告を無視して上がってきてしまったわけだ。

「な、なに?」

 音の違いはエサちゃんには判らないけど。

「ボクの背中にぴったりくっついて、そそ、おっぱいが頭の上に載るんかー、載るのかあ。お、重い」


「わたしは急に軽くなったけど?」

 屋上へ出たのは救難ヘリを呼ぶためじゃない。

 近くに駐屯地があるから政府要人以外の飛行許可なんて、早々に下りる筈もなく。

 部下が素早くボクとエサちゃんをロープでひと繋ぎにしてくれた。

「懸垂降下で、下階へ行く。目標は、避難用シューターが使える階までだ!!!」

 これはエサちゃんに告げたもんじゃない。

 ロープの長さは十分だし。

 残る不安は...

 ボクの体力と筋力くらいか。



 だが、しかし。

 お嫁さんはボクが護るんだもん!

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