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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2158/2359

- C 1013話 アンダーグラウンド・ゼロ 3 -

 民営の空港だけど、管轄は自治政府からで。

 勝手が過ぎれば“認可”だって取り消される――当初こそは大挙して押し寄せてきた、当局に対して。

 “越権行為”だと激しく毒を吐いて見せてたオーナーも。

 俺様は、政府の議員にも顔が利くんだぞ的な。

 そんな脅しも見られたが、

「緊急時だからと提示し忘れた我らも、態度が良くなかったようだ」

 数十いくつもの隊員たちが格納庫へ殺到していったあと。

 責任者らしいスーツの男らとオーナーが向き合ってた垣根。

 それらをかき分けて、チビでメガネな女の子が現れた。

「聊か礼を欠いた物言いだったな、わたしの顔に免じて...いや。ここは裁判所からの家宅捜索許可状が、有効か。不審あってなら、内容も読んでみるか?」

 チビでメガネの女の子。

 人工島はじまって以来、選挙が()()()()だと言わしめた議員。

 それまでの人工島選挙は本国の地方自治体と大差ない。

 政策を論じて、明るい明日を模索してた。


 このチビでメガネ。

 属性満載の美少女っぽくも見える女性候補が立つまでは。

 選挙カーに乗ると、下から見上げる聴衆には見えず。

 壇上に上がっても、後列まで声が届かない。

 極めつけは、スタッフに肩車されたアットホーム的暖かさ。


 有権者は萌えた。

 いや、奮えて激しく萌えた。

『俺たちが、このロリを支えてやろう!!』と。

 人工島唯一のロリ議員。

 それがこの子である。


 挑発でもするように、ひらひらと複数枚の書類を提示して見せた。

 最初こそは『出るとこ、出るぞ』ほどの勢いはオーナー側にもあった。

 まあ、そこは大真面目にも議員との太いパイプがあったのだろう。

 ロリ議員が出てくるまでの短い天下だったか。

「じゃあ、遠慮なく。捜索、させて貰うよ?」

 身長はそうだなあ、ボクと大差ないというか。

 30歳を過ぎてミニマムな体格と言うと...

 苦労しかないよなあ。


 でも、


 あんなナリだけど、彼女は“国防族”議員で。

 元士官っていう職歴を持つ。

 タスクフォース実現に貢献したと言ったら、見直すレベルのロリだよなあ。

 そりゃ人気も高いわな。



 格納庫から地下への入り口は、すんなりと見つかる。

 民間経営の空港が()()()の現場に成る事は多々あって。

 方々に賄賂を献上して、摘発されても見逃されてきたわけだ――商売に多少のリスクありというのが、マフィアたちの常套句で。定期的な手入れ後の値上がりがまあ、ソレってことで。市場動向がどうのってのは捌き手次第ってだけの話。

 価格だって。

 マフィアの指先一つで決まるんだし。

 金持ちの坊や嬢ちゃんが通う学校で卸せるってんなら。

 市場価格のそれこそ5倍、10倍だってありえるかもだ。

「隠し通路でもなければ、隠す気もねえと来る。どんだけ恥知らずかねえ、連中は」

 ロリ議員が開錠させた扉を、安全靴の底で蹴り上げてた。

 その怒り、凄まじく。

 靴跡が残ってたという。

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