表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2155/2366

- C 1010話 ヴィランフォース 5 -

 武装した反政府運動家たちが、中央駐屯地へ向けて“手製”パイプロケット弾を投じてきた。

 唐突かもしれないけど。

 手引きした者もあったようで――


 駐屯地が見えるホテル上階。

 ボクらのフロア、東側の方で交戦が確認できた。



 反政府組織の中核メンバーは、自治政府の“働き方改革”による犠牲者で構成されている。

 犠牲者って一括りにはしたけども。

 不法移民だったり、不法入国だったり。

 或いはビザ切れや留学、就労補助研修員だった者が法の網を、搔い潜って定着した者たちだ。

 政府として自国の市民の雇用機会を護るために()()()のだが。

 恨まれてしまったっぽい。


 そうした勢力に。

 最高学府に通う情弱な学生たちも参加して。

 1960年代のような、荒れた雰囲気が燻ってたようで。

 ヴィランフォースが焚きつけていないのに自主的に――『我らの戦友を護れーっ!!!』

 捕縛されたイタリア系マフィアの奪還に動いたというわけだ。




 

 しゅぽぽぽ~ん。

 軽い発射音は小口径のパイプ砲だからだが。

 破壊力の方は“手製”だからとバカには出来ない。

 着弾と同時に弾頭の中にぎっしり詰め込まれてた、釘やネジにガラスの破片などが弾け飛ぶ。

 両腕で顔を護った隊員たちの悲鳴。

 駐屯地正門に鉄盾が降ろされた。


 後門にも同じシールドが降り、モーターパークから装甲車が正門を固めて専守防衛に努める。

「――傭兵団リーパーズへ」

 営倉からホテルへ移動させたことも仇になったけど。

 発煙筒と交互に放り込まれるパイプ爆弾が地味に効く。

「総員、武器を取れ!!」

 司令のアナウンスに、

 副官ら幹部の『まだ、長官からの許可が』って声が混じってて。

 場の混乱がそこかしこに。



 しゅぽぽぽ~ん。

 再び、似た口径の砲弾が飛んできた。

 放ってるトコでは耐久性に難のある擲弾筒の暴発が見えて、道行く通行人にけが人が出たり。



 ただね。

 ボクらが宿泊してたホテルにも賊が入ってきたっぽく。

 エントランスの従業員が銃口で脅されたのだろう。

 政府に近しい重要な人物が、フロア貸し切りで宿泊してるって口走ったっぽい。

「エサちゃんを探してきて!!」

 ハナちゃんは別件だし。

 十恵ちゃんも。

 ボクの他なら12、13人足らずの傭兵くらいか。

 返却してもらったPDWと拳銃の残弾を確認。

「全員、装備を確認。エサちゃんを見つけたら屋上へ退く。通信兵は、友軍に救出を打診」


了解イエス マム!」

 エサちゃんは案外あっさり見つけられたけど。

 エレベーターや、非常階段から殺気が駄々洩れてて。

 ちょっと洒落に成らないって感じで。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ