表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2151/2382

- C 1006話 ヴィランフォース 1 -

「――自治政府に確認した」

 やっとか。

 取調室っぽい無機質な箱の中。

 間に何もなく、机とか...

 そもそも対面になってるけど。

 立ち話?

「椅子や机は凶器に成るからな、この場所には一切ない。誰にとっての凶器かは、話さなくても理解できる(こめかみを指さしながら)オツムはあるのだろ? で、打診したが色よい返事もない。今は未だ」

 マジか。

 いや、嫌がらせか。

「確認したんじゃないのかよ?!」

 打診なんて、報告した程度じゃねえか。

「問い合わせ事項が多いらしい。誰かさんが、洋上から人工島わがくにに砲撃してくれたんでな」

 ああ、じゃあ、嫌がらせだ。

 今頃、傭兵団と政府が交渉しているとこか。

 身分の保証をしろとか。

 そこに十蔵さんが関われるトコはないだろうなあ。


 今頃、すげぇー悔しがって。

 いや。

 孫娘の方を優先するか。

 エサちゃんに泣きつかれて、連れてきちゃった訳だし。

 こりゃ拳骨か?

「それと、八ツ橋のお嬢さんに何をするつもりだった」

 質問っぽくなかったな。

 語尾がこう、刺々しい感じで。

 黒豹便トコみたいな、ああ、影響はそこまであるんか。

「いあ、彼女が見学を希望したんだよ。いつか、傭兵団うちに入りたいって、殊勝うれしいこと言ってくれたんでね。特別に麻薬取締局マトリの連中との会合でも見せてあげようとしたのさ。しかし、人工島の汚物も重武装化したもんだねえ」

 話の途中だったんだけど。

 ボクの真横に蹴りが繰り出されてた。

 右の頬を圧が抜けてたね。

 イラっときたらしい。

「どういう?」


「虫が居たんだよ」

 ちびっ子で生意気だから、驚かせようとしたか。

 まあ、目がマジだし。

 殺気も駄々洩れてる。



 取調室のスピーカーに雑音が。

傭兵団リーパーども、一時解放だ。目の届くところに居ろよ!!』

 舌打ちを残して。

 対面してた兵士おとこが退出する。

 と、代わりにエサちゃんが飛び込んできて、ボクにタックルしてた。

「お爺ちゃんが手を回してくれたよ」

 え? えー。

 それじゃあ。





 拘束時間は1日も掛けてない。

 中央駐屯地から目が届く、ホテルへ缶詰めになることになったけど。

 その程度に済んだのは八ツ橋十蔵という大老の御業だ。

 人工島の顔役フィクサーとは侮れないものだなあ。

「でも、これでまたひとつ借りを作ったんだけど」

 返し切れない借りが多い気がする。

 こんな事で十蔵さんの権威が損なわれるのも、どんどん肩身が狭くなる想いも。

 早く解消したいんだけど。

「そんなこと考えてたら、お爺ちゃんが涙目になるから」

 ああ、天使。


「っと、そんな場合でもなかった」

 エサちゃんから衝撃的な言葉が告げられた。

 重武装化した犯罪組織にも垣根を越えたタスクフォースがあるという事実をだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ