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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2150/2368

- C 1005話 タスクフォース 5 -

 麻薬取締局のチームが埠頭に到着した時は、装備の違いにただ。

 防戦一方に回ることしか出来なかった。

 そのうちにやや離れた洋上から2つの光点が煌めき。

 1発は現在、大いに交戦中という波止場付近に着弾して激しく炎をあげて爆発した。

 もう一発は、弾殻がコンクリートの表皮を貫通して、たぶんちょい軌道がそれたんだろう。

 隣のコンテナ集積所で飛び込んで爆発してた。


 麻薬取締局による事後報告書にそんな記載がある。

 洋上からの攻撃により、今は旧式化して使ってない埠頭に2発の艦砲射撃を目撃した、と。

 ()()()()()着弾して、周辺に甚大な被害をもたらした、と。


 ボクはちゃんと状況を把握してなかったんだ。

 139ミリ砲の砲撃の凄まじさを。

 いあ、装甲車の影とは言え。

 エサちゃんがルームミラーで見た惨状を――ボクが遮って。

 およそ人工島はじまって以来の惨事。

傭兵団リーパーズさんよ、やることが派手じゃねえか?!」

 麻薬取締局のチームも、エージェントも。

 そんな真夜中の戦争ごっこに参加してました。



 狙撃手は対岸にある元貿易会社の廃墟から射撃してて。

 麻薬取締局からも死角になってた。

「――あのビルに」

 ライフルっても、装備の中では100メートル前後にしか有効射程がないPDW装備の麻薬取締局。

 人工島の中では、自衛隊に次ぐ重武装でもこの程度しかない。

 マフィアの連中の資金源が違法ドラッグで、武器の類が凶悪化していることも目撃できた。

 やや強引だけど、これで捜索を地下に回せる口実にもなった、が。

「いや、これ以上戦線が拡大するのは好ましくない」

 当局にとっても、島にとってもだ。

 これだけ派手に爆発の光と音が響きけば――。


 高高度の影が雲の中へ。

 人工島自衛隊の哨戒機とヘリが湧き始める。

 護衛艦も出たようだけど、洋上では海上演習中の多国籍艦隊と揉めてる様子。

 その中に()()も交じってた。



 人工島自衛隊・中央駐屯地。

 島内には5か所、中央の行政区域の他に方角で定められた基地がある。

 自治政府下において管理された最大戦力で、洋上戦力も本国に次ぐとも噂されてるらしい。

 人工島が動くのだから空母は要らんだろと思うのだけど。

 一応はあるらしい。


 そんな基地にボクらはある。

 成形弾頭の熱によって側面が飴状に溶けた装甲車3台と、パンク、被弾、もろもろ受けてレッカーされた装甲車とともに、だ。傭兵チームと八ツ橋 依李紗エリザの奇妙な組み合わせに、基地司令が困惑し、出した答えが“誘拐”だ。

 酷すぎる。

 ちゃんと防弾ベストも着させて、銃弾が掠らないよう。

 ボクらが盾にもなったってのに。

 こっちの死者は3人で、怪我人は多数だ。

 20人くらいかき集めた人手だから......

 3人の損失はそこそこ大きい。


 だから、早く帰還させろよ、このグズども――

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