- C 1004話 タスクフォース 4 -
さて時間に――。
高高度にあるMQ-114D、機体コードには“ベスパ”とした。
墜落して放置されてたものを拾ったボクらは、細かいトコに手を加えて――
ほぼ自作した無人攻撃機。
潜水艦の司令塔から電波が届く地域でなら、各地何処へでも送り込めるってんだから。
もう、浪漫しかないよね。
で、だ。
名前もソレちなんで...
トラ柄に塗装したかったんだけど。
攻撃的な印象から名付けたのに。
組織の仲間たちが顔面蒼白、全力で拒否してきたんだわ。
理由は、あまりにも凶悪過ぎるからって事で。
そのベスパのグルグル回る目と耳に、パッ、パパッと光点と混線する無線が飛び交って。
ボクたちがある地上では。
そう、激しい交戦状態に入ってたんだわ。
◇
符丁が傍受された。
最初はそう思ったけど――埠頭に現れた連中の武装は、マフィアにしては過剰すぎた。
集められた構成員は50、いや60人くらいだろ。
防弾の無い普通の車列で現れると、
バムバム扉を開け締めしながら、男たちが降車して。
それぞれに武器を抱えて発砲してきた。
「きゃああああ!!」
エサちゃんから年頃の女の子らしい悲鳴が出た。
いつも、マウント取ってくるから新鮮だ。
「この装甲車の中なら、貫通はしないから」
普通のアサルトならだけどね。
装甲車の上で応戦してた射手が狙撃されて、絶命。
ズルっと、車外へ落ちてきて。
『こちら“ドラゴンフライ”交戦を確認した!!』
別の回線から声が――混線してたので、仲間が別の回線で応答を求めてきた。
緊急時のデジタル回線で、盗聴されても15秒でシグナルが変わるよう設計されて。
「こちら地上班。厄介なことに海側に押し出されそうなんだけど、応援、頼める?」
ボクの声に潜水艦の仲間が応じてくれた。
洋上からの光点は、ほんの少し遅れて爆発音が聞こえた。
マフィアっぽい連中の車列に139ミリの艦砲弾が炸裂してオレンジ色の激しい爆発が。
うっわ、成形弾頭かよ。
えぐいなあ。
「マルちゃん!」
「エサちゃん、ドアは開けないで。身を屈めて、小さく丸く」
言い聞かせてるけど。
どうも胸の肉が邪魔らしく。
ボクとして複雑な気分になるけど...
「ちょっとこの体勢は」
「でも我慢、我慢して窮屈でも命を守るのが先決!!」
上空の“ベスパ”ことTACネーム“ドラゴンフライ”は、じぃーってカメラを周囲に向けてた。
潜水艦からの支援砲撃によって高熱源反応で赤外線がイカちゃったし。
熱源を追うにも辺りが真っ白に映ってる。
これがえげつない代償で。
「狙撃、止みませんね」
みんな装甲車の影に隠れるしかない。
ま、2発の成形弾頭の御蔭で2本の火の壁が敵車列を上手いこと分断してくれたのだけど。
と、同時にこっちもすぐ目の前がその炎の壁がある。
くそー、狙い反れてるじゃねえか!!!