- C 1002話 タスクフォース 2 -
「え? 待って、マルちゃんが行っちゃうの!?」
だから、先ずは服。
いや、前を隠すのだからバスタオル。
腰を落ち着かせてたボクじゃ、腕伸ばしたらエサちゃんのぽっこりお腹に指が掠っちゃう。
「あ、うん。情報の信頼性の担保が必要だからね。完全武装でだけど、ボクが行く必要がある」
ライフルに耐えうる防弾チョッキと。
廃莢から顔を護るフェイスガードも用意する。
これは身バレを含むけど。
司馬丸恵で検索すれば、隠す必要もないんだけど。
あとは武器だな。
右太腿には9ミリの自動拳銃。
腰に隠しと露出のナイフを4本。
特殊部隊が執拗に売り込んできた、PDW。
個人防御だか、防衛火器って呼ぶもので。
ボクらは独自調達のものを採用してる。
「ちょっと待ってよ!! そんな危険なことお爺ちゃんは赦さないよ!」
とは言われてもなあ。
駄々こねても、エサちゃんは連れてかないよ?
マジで。
「えー、やだー」
だから先ずは服!
パンツでいいから履いてください。
「それもヤダ!」
え? な、なにが??
「お風呂上がりのこの、ほくほくとした身体でマルちゃんを、包んであげたいじゃない?」
あ、えっと。
ボクもお風呂入りたいんですよ?
んで、函に潜り込みたいので。
「だめだめ」
「おー! あたしらも居るぞー!!」
十恵ちゃんとハナちゃんが挙手してる。
イチャつくならって、この個室、ワンルームだった。
ユニットバス付の寮って凄いよね。
とは言っても、ここは女子寮なわけで。
生理になると大浴場が使えないので、こういう造りになってる。
足を伸ばして溺死したい気分になったら、大浴場へGO!
そんなノリだ。
「ここはVRじゃないんだぞ! 弾当たったら怪我しちゃうか」
「最悪、死ぬんでしょ。でも、わたしのお婿さんはお嫁さんを護れる子なんだよね?」
眼差しが真っすぐで。
キラキラしてて可愛い小顔できゅっと胸が苦しくなる。
ああ~もう、エサちゃん...大好き。
「ばかマルぅ、押されるな! 押し切られるなー!!」
外野が煩いけど。
「いい、エサちゃんは素人だから装甲車から出ないように。防弾仕様だからって過信は出来ないから、エンジンを盾になるべく屈んでてね。当局の連中が、対物ライフルを持ち込むとは思えないけど」
けど、万が一は起こる時は起こる。
海外の経験上、交渉事にはトラブルがつきものだった。
双方でドローンは飛ばすだろう。
傭兵が大きいとかで揉めたくないしなあ。
「やったー!! ゴネ勝ちぃ~♪」
そ、ゴネ勝ちだよ。
十恵ちゃんとハナちゃんからため息が出た。
お仕事モードのマルと、普段のデキが悪いマルも同じって事だ。
エサちゃんに滅法弱い。
「じゃ、じゃあさ! 私の装備、見繕ってよ!!!!!」
え。
今から?
激しく頭を振ってたような気がする。