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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
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- C 1001話 タスクフォース 1 -

 自治政府が用意したのはタスクフォースと言う器だ。

 他者との繋がりが希薄で、独身者かつ協調性はないが、決して自己の生き方を曲げることのない実直な者が選抜された――歯車たれとする組織では、はみ出し者は生き残り難い世界。

 そんな人材にも潜り込もうとした地下組織。

 当局の垣根を越えて、特別編成された特殊環境下の実働部隊。

 犯罪者に限らず...

 こんなのが権力ちからなんか握ったら、怖くて仕方ないものだが。

 そう思った犯罪組織も、地下で暗躍する反政府組織も。

 同様にタスクフォースを編成した。

 選抜初期段階で、両陣営の候補生の半数が入れ替わっている。

 考えることは同じだという事だ。


 ただ、元警察官、或いは兵士の身分は死んでも回復しないという点が残る。

 犯罪者の身分も似た形だけど、こちらはまあ、表向き殉職で英雄とされるので複雑だ。

 こうして結成から始動までに多くの隊員の命が露と消えてた。



 初期の摘発は探り合いで身バレした。

 質問の多いやつはキナ臭いって流れで――高度な情報戦というアレ。


 はみ出し者は馴れ合いを苦とする。

 孤独に耐えうる感覚がそもそもマヒしている。

「孤独って何? ソレ、美味しいの?」

 くらいのマヒっぷりで。



 シャワー室から湯気と共にエサちゃんが出てきた。

「それじゃあ、マルちゃんでも接触したら」

 フレミングの左手めいた形に指先をボクに向ける。

 まあ、拳銃のつもりなのだろうけど。

 バスタオルで前を隠して欲しい。

「そ、ドンだよ」

 ばぁ~ん、なんて可愛い声音を発する。

 もう。

 目のやり場に困るから、茂みがふさふさ気持ちよさそう~

 おっと、直視しちゃってた、バレてないかな。

「こっちからの接触は?」

 その気になってるようだけど、エサちゃんは自治政府と傭兵ボクたちとは関係ない。

 ハナちゃんはギリ、関係者だが。

 うーん、いまいちだな。

 ギリで。


 十恵ちゃんは関係者だし。

 潜入に成功した分隊が、彼女の下で活動している。

「こっちからも、あちらからも貰ってないよ。十恵ちゃんのナイスな(親指をさりげなく挙げて、茄子を喰う)ハッキングで傍受戦。傭兵こっちが得意な盤面で仕事すればいいだけ。(ボクも下唇を甘噛みしながら)いざ重要な案件、例のキャンディの情報はタスクフォースと共有したい時だけ...回線にエサを撒くの」

 そう、さりげなくパラパラ、と。

 さすれば暗号に気が付いたエージェントが、人工島の端にある桟橋に現れる手筈。

 このエージェントは麻薬取締局の連絡員で。

 たぶんスパイっぽい人なのだろう。

「1対1?」

 ハナちゃんが否定したけど。

 ボクだって命は惜しい。

 そりゃ相応の装備で赴く。

「え?! マルちゃんが行くの!!!」

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