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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2136/2366

- C 991話 証人保護と魔女 3 -

 組織が少女の試作したものに注目したのは、偶然だったのか今となっては検証は出来ない。

 恩寵ゲファレンには元来、マナを取り込みオドを回復させる効果の他に、微量ながらに身体強化などもバフが仕込まれていた。これらのバフが端役の内は、中毒性が薄く依存症に成り難い。

 仕込まれていた理由は簡単だ。

 オド枯渇状態になると、注意散漫になり急に衰弱する。

 なにしろ、精神的な疲労ダメージが肉体の制御に、支障をきたさせるのだから。

 これらの一時的緩和処置に、バフが入ってた。


 まったくボクの魔紋シートとよく類似してるものだ。


 先駆者が居て、それが組織の目に止まったなら。

 ボクのシートなんて二番煎じもいいところだろう。

 だからか。

 或いは相当、怪しんでいるのか。

 彼らは、何もしてこない様子。



 百層ダンジョンの最上階。

 フロストドラゴンにフロアボスとして任せてある部屋にて、組織の幹部が集まる。

 皆、それぞれお気に入りのクッションを抱えて終結。

「コジュコジュ、それこの間の誕生日プレゼント?! 使ってくれてるの!!」

 ドーナツ状のクッション。

 人工島ではデスクワーク社畜に、大人気のアイテムである。

 こう童心に帰った気分で、浮き輪っぽく。

 いや、沈み込むというより包んでくれるような。

 ただ、座ると面白い形になるので、人前ではお勧めできないんだが。

「んま、まあね。座り易いし」


「ほらほら、先生方。報告、報告会ですよ...先月の“恩寵ゲファレン”売り上げは、119パーセントでした。今月に入ってからは、地下墳墓パーティの問題もあって落ち込みが酷い。先月をベースに今月の試算は10パーセント減収に成りそうです。代わって全くの毒性がない通常商品、“治癒玉ポーション”が此処にきて売り上げを伸ばし、154パーセント。舐めてるだけで治癒するのに、何故かいつも舐めてしまっていると、リピーターの子が」

 報告しているのは、ギルドにて受付しているエルフさんの模様。

 耳が上下に動いてる。

 ああ、興奮してるんだな。

「もはや、()()に任せず。“治癒玉”を創った、マルって子に改良を委ねてみては? 毒性が無いけど自然と求めてしまうなんて、正に魔法のような領域ですし。“恩寵”から毒性が消えても、バフがハイにさせる事は実証されてますし。ね?ねえ?!!」

 これは、小角バンビ先生だな。

 組織とはこの学校の運営員会。


 沢山の寄付を頂いてるのに、内情は火の車だという。

 苦肉の策で25年を境に。

 秘密結社を立ち上げた。


 現在までに、ドラッグ収入が組織の金策全体の49パーセントにまで成長し。

 そうした情報が一時期流出しかけた。

 例の自殺問題だ。

 そして、失踪した少女も――。

「彼女から接触して貰いましょう。エルフの叡智を与えた子にどこまで敵うか、見てから判断します」

 ギルドのお姉さんが仕切ってるんかな?

 まあ、これはそうした会話が眠るドラゴンの部屋で行われたというイメージかな。


 うん。

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