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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2128/2360

- C 983話 魔女の宴へご招待 3 -

 目的は果たした。

 自治政府からのグランドオーダー。

 麻薬の存在を明らかにせよ。

 出回ってる場が、地下パーティって呼ばれる、非行少年少女の溜まり場である。

 彼らにすれば非現実的な誘惑の多い場だけど。

 運営や運用は非合法を生業とする大人たちである。

 人工島では“マフィア”や“カラーギャング”たち。


 人工島警視庁も大分、煮え湯を呑まされてた。

 マフィアの専門は、誘拐ビジネス。

 島外から観光できた国や人種、肌の色に髪の彩、とにかく片端から攫って身代金を掠め取る。

 中央アジアか、アフリカ並みの治安の悪さ。

 表向きの皮は“日本”だけど。

 ひと皮むけば、地上で生まれた地獄エデンへようこそ。




 さて。

 エサちゃんが証拠を押さえて。

 ボクが主催者に酔ったフリで近づけば、この調査も半ばで解決の目途が立つ。

 そう思ってた時期が、たしか5分前にありました。


 えっと。

 はっちゃけたフリもして。

 がばっと脱ぎ散らかしまして...

 上下で雰囲気の違う下着姿で、訝しむ主催者の足首に纏わりついてたところで。

『北署生活安全課だ!! 生徒たち、その場を動くな!!!』

 って邪魔が入る。

 少量の麻薬キャンディと、明らかに下っ端の売人が捕まり。

 で、参加者も校内の病院施設へ担ぎ込まれたところで。


 えっと、なにこれ?!

 なんで、ボクの手首に手錠が?!!!



 北区警察署・生活安全課に。

 治安強化班と、麻薬取締捜査班って名乗った強面な刑事さんたちに囲まれる。

 180~190ほどの身長と横幅を誇り。

 体重もそれなりに重そうな雰囲気の殿方。

 怖いなあ。


 挙動不審なボクと、八ツ橋家のお嬢さまとでは扱いも、対応も違うわけで。

 北区警察署の所長さんのバーコードが上下するのが見えたんですが。

「あれ?エサちゃん、え、ちょ、()()?!?」

 彼女の家人という侍女なる人が迎えに来てた。

 エサちゃんの親が心配して、お爺様に内緒で手配した人々に守られながら。

 今まさに同じ容疑で留置されてたボクと離れ離れになりつつある。

「ごめんね、マルちゃん。門限に遅れちゃいそうだから」


「えー?!」

 門限は仕方ないけど。

 ボクはー??

 ハナちゃんが保護者として生活安全課のカウンターにまで来ているらしい。

 けれども。

『目撃した生徒たちの証言によりますと。ちんちくりんの少女が“麻薬キャンディ”について語っていたとか、或いは少女売春などの勧誘をしたとか、噂が飛び交っていまして。本人から一応、事情を聞かないといけない状況でして』

 担当の婦人警官の口調は重たかったという話。

 少女の買春や売春の方は、失踪した娘の噂話だ――キャンディには常習性が2回目から強くなるよう、調整されたものが渡されることは承知している。“魔女の宴”が不定期だったとは考えられないので、それらの様子を問い質してたんだけど...どうも、不審がられてしまったようだ。

 うーん。

 下着の上に宴に着ていった麻袋のドレスでは。

 こう、パイプ椅子のひんやりさで。

 ぶるぶるっとくるんですけど?


 気が付いた婦人警官の方。

「えっと、毛布?」


「いえ、おしっこです」

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