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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2126/2360

- C 981話 魔女の宴へご招待 1 -

 地下のカタコンベを抜け。

 更に下階へと降りる階段で、個人的には何度か滑りそうになった。

 男装の麗人然として、お姫様であるエサちゃんをエスコートするはずが。

 いつの間にか逆転。

 エサちゃんに手と腰を支えられて、迷宮の中を進んでた。

「本当に宴には参加してないんだよね?」


「もちろん」

 それにしては。

 いや、勝手知ったる雰囲気がある。

 お嫁さんを信じない訳じゃないけど...

「信用できない?」

 耳を甘噛みされる。

 ひゅーひゅーって口笛を吹かれて、すれ違う生徒に揶揄われ。

 顔真っ赤になるボクがあって。



 エサちゃんが耳元に甘く囁く。

「ほら、この下が“魔女の宴”だよ」

 甘美で鼻が擽られるような。

 その中で、気怠さが纏わりつくような匂いがする――心地いいとかとはまるで違う気もするけど。

「気を確かに。マルちゃんは耐性がないだろうから、わたしと()()()して」

 言われるがままに。

 舌を絡めたディープで甘くとろけるような、濃い口吸い。

 飛びかけた意識がじんわりと戻ってくるイメージで。

「鼻血は自分でなんとかしてね?」

 あ、はい。

 何かされるんじゃ、って想像しちゃった。

 ほら柔らかいところを直ぐ、甘噛みしてくるから。

 今回も人目も憚らずって。

 思うじゃないか。



「わたし、そんなに節操なしじゃないと思うよ?」

 VRの中では無邪気というか、我が儘ですけどね。

 見えないところなら。

 中指がずっと恥ずかしいところを這ってるんですけど。

「で~も~」

 ん?

 ん?

「マルちゃんの準備ができてるってなら~」

 ほ、ほら。

 あ~ 準備って心の? かな。

 デキるかなあ、ここで。

「さ、行こっ!!」

 腕を引かれて宴にデビューした。

 秘密の仮面舞踏会。

 とは言っても、貴族の嗜みじゃなくて野性的な、魔法使いの宴だ。

 みんな思い思いの恥ずかしい水着で、バカ騒ぎしてた。

「こ、これ?!」


「そ、中東の大金持ちとかなら正に、すっぽんぽんかも知んないけど。人工島でも日本だしさ、こんなにハッちゃけたら我に返れば、気恥ずかしくもなると思わない」

 思う。

 先ず、なんで服剥いだんだろって苦悩する。

 それと裸踊り。

 水着たって下着と大差ないし、布いち枚の気恥ずかしさが蘇るわけで。

「みんな酒でも飲んでるの?」


「さあ、その場の空気ってのもあると思うよ」

 そうだ。

 下階へ降り立つ前の香り。

「抵抗できる人は少ないよ。あれ、媚薬みたいなものらしいから」

 なら、なんでが飛ぶ。

 なんでエサちゃんは平気なのか。

 聞くのが怖いけど。

「八ツ橋が製品化した、わたしの()()だから」

 香水の開発にアルバイトしてるってったな。

 これが。

「ほ~ら、呆けた貌しない。わたしが恥ずかしい!!」

 額が当たる。

 まあ、ごちんって感じで。

「媚薬の評価もあるけど、それだけでハイには為らないと思うよ。たぶん他の要因も交じってると思う」

 当局が絡むキャンディの可能性。

 袖先を引かれ、

 主催者の魔女の下へ。

 エサちゃんが軽く挨拶をして、飴の包みを貰った。

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