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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2109/2361

- C 968話 攻略対象に喧嘩を売る 3 -

 ボクは、前日の野外訓練場に居た。

 第二王子を負かしはしたけど、純朴天使なマルが心に負傷した現場でもある。

 別視点で見ると、苦々しく感じる。

「第二王子のアレは大きいのかもしれないけど、マルの心を傷つかせる為に幻術とは。舐めた真似をする――聖女とは言っても魔女は、魔女ってことか」

 誰かが据わってた後に魔術の痕跡。

 草を編んで焼かれた魔法陣がある。

 数刻もすればファミリアからも、痕跡が辿れなくなるものだ。



 その日から、単位とりに勤しむことにした。

 単位の取り方としては幾つかの方法がある。

 1年で必要な単位は20余り。

 4年で最低でも80は必要だけども、研究発表や論文、新しい魔法の開発からファミリアの改造などでも、必要な単位習得が可能と言うのが校風だ。聖女を中心とした攻略対象という王太子含めた、BIG4なるグループは、だ。

 この課外授業に注力しているため、目立たないようで。

 逆に2年のブランクがあったエサちゃんが目立つのは、学年トップクラスの成績だからだ。

 まさに女帝。

 オール満点とか、どんな頭の造りしてるんだよ。


 ボクは、先ず。

 学校の“冒険者ギルド”にライセンス登録する。

 ファミリアに記録されている、デイリークエストの消化と。

 これまでのソロ・アタックデータの照会も行って――ランクは破格の“C”発進。


 目立たなくていいのに。

 早速、校内新聞に『超新星、現る!!』なんて見出しが載った。

 編入生パールライス子爵、ちょっとお転婆な末姫さまの冒険がここに開幕。

 なんて、うっすい記事が出たわけだ。

 これはBIG4と同じ路線なので衝突は不可避。






 実は、これには理由わけがある。

 エサちゃんとの()()は忘れていない。

 彼女のコミュニティにあった、少女の捜索。

 ハナちゃんの調べによると、少女の姿は地下墳墓で行われた“魔女エーヴィヒダァーヘクセ”の直後から消えたとされている。この集まりは、秘密主義で通っていて手がかりは現時点で皆無。

 まあ要するに、会合に呼ばれるだけの実績を積む必要があるということだ。


 例えば――

「授業を抜け出して抜け駆けとは? 異国の子爵とは卑しい者ということか」

 光の反射で眼鏡しか特徴のないBIG4がひとり。

 女神正教会、智の枢機卿が令息。

 アルベルト・バッテントレルが、ボクの目の前にある。


 そういうお前だって抜け出したんだろって。

 言うと言葉の応酬になるんで、そこは時間の節約といきたい。

「ボクは単位が足りませんからね。校内の補助施設で地道に稼がないといけないんですけど... この場合は、()()とか呼んだ方がいいですか? そうですねえ、サボり同士ですし」

 ああ。

 喧嘩売っちゃったよ。

 軽めのダンジョンだったし、深奥の薬草“ポプテピピック”採集クエスト。

 どんなにかき集めても、単位は2が限界だけど。

 魔物を倒した数に応じれば、最大5もの単位が貰える美味しい内容。

 逃すわけには。

「ふむ、薬草採取か」


「は、はい」


「では、タイムアタックと行こうではないか!!!!」

 はー?!

 そ、れ、は、な、あー、初見殺しだろがー!!

「怖いのか?」

 糞、糞、糞。

 このメガネはー。

 やってやろうじゃないか、ボクが本気出せばどうなるか。

 思い知らせてくれる。

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