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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2108/2359

- C 967.7話 ふたりめのボクが、今 -

 寮母さんから()()が来ていると、ボクに受話器が渡ったまでは記憶がある。

 部屋に戻って――から、が分からない。

 何があって、どうなって。


 いや、ひとつ。

 そう、ひとつ。


 鏡の前で、鏡のボクの頬をそっと包み込む()()と対峙して、だ。

『鼻血が出ている、暫くコクーンに戻って無かったから、必要な休息が取れてなかったんだろう。今は気にすることは無い。すべては()()に任せろ、司馬丸恵がまるっと片づけてやろう』

 そんな声を聴いた気がする。



 親指を甘噛みしている、マルを目撃した。

 しかも、素っ裸で寮上階の自室から学園を見渡すように突っ立ている。

 張華、緊張の朝だ。

「えっと、まだ1月だし。部屋の中とは言え...寒い、んじゃ、ないかな?」

 義妹に恐る恐る声を掛けるなんて何年ぶりだろ。

 マルが中学、卒業する前に海外へ()()その一寸、彼女が怖いと思った頃か。

 その時もやっぱり奇抜な、いや奇行に走ってたきがする。

「ハナ()()()か」


「は、はい...ハナです」

 彼女は肩を揺らして微笑みつつ、ベッドへ。

「盛大に絵画を描いてしまったんで。こうやって風呂に入るか、或いは濡れたタオルで拭くか、風乾で誤魔化すか思案してたんだが。ハナちゃんなら、どっちがいい?!」

 わたしの視線がベッドに刺さる。

 シーツの上に見事な絵画が。

 力作だってのは分かる。

 おねしょで、描けるもんじゃないけど、おねしょだ。

 それを隠すことなく笑い飛ばす、義妹。

「題材は、昼間みたキノコの山」

 上手いこと言ったつもりだろうが、()()()()じゃねえか。

 ま、マルがひとりでヤってるとこなんか見たことねえし。

 部屋掃除しても、BL本ひとつ出やしねえ。

 わたしの汚部屋から“おかず”を与えようとしたら、顔真っ赤で拒否ってきたからなあ。

 まさか、いや、それでこの絵画だと?!

「いあ、ハナちゃんが思ってるような流れじゃあ、ないんだが。やっぱり昨日の昼間がな、お花畑で育ってきた()()()()には、スパッツみたいなもんで隠しきれない“竿”を見せられたら、脳裏に焼き付く。おかげで、ほら! うちの純朴天使な()()ちゃんが大作創ってしまったよ」

 マルが?

 いや疑った耳と、今見ている義妹のふてぶてしさ。

 この子、違う子だ。

「やあ、ようやくかい」



 ハナ姉を義姉と慕うボクは、休憩中だ。

 刺激が強すぎて、いや、この先の仕事オーダーに支障が出るから、ボクが呼び出された。

 司馬丸恵、オリジナルの登場だ。

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