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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2107/2359

- C 967話 攻略対象に喧嘩を売る 2 -

 役小角えんの・バンビ女性教諭が、青年に腕を差し出した。

「勝負は勝負ですよ? 王子殿下。王太子おにいさまの意を汲んで、率先してロールプレイに投じたのは加点対象ですけど。私闘、決闘にローカルルールを持ち込みたいのであれば、始める前に相手方。そして教諭である()()()()に、伝える必要がある事を2年前にも散々言いませんでしたか?」

 転がってた王太子だと思ってた青年が、だが。

 こいつはその次男坊ってことか。

 しかも、2年間なにも学んでねえ。


 マジか。

 いや、待て。

 学ぶ機会ってのは環境は大きく関係する。


 よくある乙女ゲーの解説本には。

 第一王子は、勤勉とか真面目、優しいなどの性格的ワードが並ぶ。

 これは攻略対象が見目麗しきイケメン故の書き分けなのだ。

 見渡す限りにイケメンかブサメンでも、特徴が無いと――平面に等しいキャラである。

 肉付け大事ぃ~。

「兄貴ぃー!!」

 半泣きしてるが如くの甲高い声。

 へたりこんだ弟君の先に、金髪補正された長髪にして長いまつ毛のフランスパンが。

 立たなくても座高が高いってのは、ひとつの特徴だろう。

《足は短いのだろうか?》

「キサマ、兄貴について今、不逞な考えを持っただろ!!」

 吠える巨根。

 もとい、第二王子。



 黒山から唐突に立ち上がるBIG4。

 第二王子の解説本には、性格に難があり、怒りっぽくて、出涸らしって言葉に傷ついているとか。

 そうした負の面を、聖女が癒してくれるので懐かれやすくなる。

 割と簡単なルートなので攻略は面倒じゃない分、やる気も削がれて地雷を踏みにいかないのだ。

 第二王子ルートは地雷だ。

「お、おい! 負かしたからって、いい気になるな!!!」

 ん?

「こ、今回のはたまたまだ! 俺の得意とするのはブロードソードで。...その、お前に負けっぱなしだとか、思うんじゃねえぞ...」

 んー。

 なんだ、このデレは。

 ボクは、彼を見下ろしている立ち位置だ。

 教諭の手を借りて目線が逆転しても、だ。

 第二王子は頬を赤らめながら、

「次に再戦するのは、俺だからな!!!」

 って捨て台詞が。

 黒山に林立してるBIG4の方々と少々、温度差が違うような。


 ん? ん... んー。nんんんんー!?!!


 これは、

 地雷踏んじゃったか??!





 後日。

 男装寮にくたびれた果たし状が、届いた。

 方々を回って来たらしく。

 いろんな消印が押されてる。


 学校の郵便エリアは狭いけど複雑で。

 差し出した場所の半径数十メートルくらいしか動かないんだわ。

 果たし状くらいボクと面が合う、教室で渡せば問題も少なかっただろう。

「お嬢さま?」

 ハナ姉がメイド=侍女のていを崩さないのは、寮が個人部屋だとしても障子に目あり、壁に耳ありだからだ。

 大事なことはファミリアを通した念話のみ。

 その念話も盗聴の恐れがあるので、早々にプライベート回線の術式構築を完了しておいた。

「これじゃあ、果たし状じゃなくて...」

 思わず、ため息になった。

 書簡をハナ姉に託し、ベッドへ飛ぶボク。

 なんなんだよ、攻略対象って。

 恋文じゃないか。

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