表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2103/2359

- C 963話 初期イベント処理中です 3 -

 魔法学校の定番と言えば、水晶球に魔力を投影させて図る方法と。

 得意魔法を詠唱させて的となる人形や標的に当てるものだ。

 このテンプレートはほば確定的に発生する。


 そもそも論で言えば。

 単一対象に魔法を当てることは、番った矢を射るよりも難しい。

 なにせ、無詠唱だとしても動く標的の未来予測なんてのは確定しないのだ。

 矢や銃器のそれは、だ。

 経験から来る、武器の初速値が分かってて相対する標的との交差位置とを。

 計算しているから当てられる。


 魔法はその点。

 事象そのものの確率を弄るほどの事を成さねばならない。

 絶対当てるは、チートなのだと。



 さて、動かない的に当てる行為だけども。

 ため息が出そうだ。

 いや、あくびも。

「この標的に、これの鎧はそう簡単に壊せませんよ!!」

 フラグを立てるな、フラグを。

 水晶球みたいに砕けるぞ?!



 無自覚主人公がいるとしてだ。

 フラグが立った的が壊れるというのは、10回に1回はあるんだと。

 わりといい確率ですね、だ。


 後にエサちゃんから聞いた話だけども。

 入学式のイベントでも、どや顔の()()()が壊れにくい鎧にひびを入れたという。

 その後、宮廷魔法使いの孫という魔獣使テイマーいが、だ。

 派手にぶっ壊したというのだ。


 もうテンプレだろ、そこ。


 ボク?

 ボクは魔法剣士だから獲物の刀で切りつけて――

 派手に相殺された挙句に、吹き飛ばされた。

 攻撃の寸でに的対象に“抵抗強化プロテクト”と“魔法小盾マジックシールド”を与え、ボク自身の攻撃が通らないようにした。

 後は、自力で吹き飛ばされたような演出に励んだのだ。

 魔法剣士としての実力も測定不能にした。


 筈だった。


 見てないと思ってた実技評価官ってのは節穴じゃないってことだ。

 普通は派手にぶっ壊すことを考える奴が多いから。

 それらの処理もテンプレとなっているという。

 ふふ、エサちゃんからも爆笑されたなあ。

「その刀、見させてもらっても?」

 女性教諭はボクの腰に提げられた獲物を手に取る。

 ファミリアをONにしても、OFFにしても西洋風の飾り鍔の付いた倭刀だ。

 片手でも扱える長さに収めてあるけど。

 場合によっては、両手で柄を握る事も出来る。

「見事な技物ですね!!」

 獲物が褒められるのは悪い気分はしないな。

 実力が伴ってるかは別にしても。


 獲物を選んだボクの眼力が褒められたようだし。

「構内のガラクタ市で、でしょうか?」

 はい?

 ガラクタ...

「いえ、ボーナスクエストクリア後に出た通販です。届くまで半信半疑だったんですけど、ボクの体形や要望を聞いてくれて、こんな倭刀に仕上げてくれたんです」

 いい買い物をしたなあって言葉が続く。

 もっとも、獲物を見ながら、彼女たちはボクの品定めをしてた訳で。




 ステータス――

 魔法剣士Lv.30

 これらの情報は教師たちに筒抜けになってた模様。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ