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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
人工島の寄宿学校
2095/2357

- C 957話 人工島の貴族学校 序幕2 -

 エサ子の家は、まあ。

 お小遣いに困らない裕福な家の子である。

 ボクの名義じゃない家も、彼女のお爺様から拝領したようなもので。

 司馬一族は、八ツ橋家に囲われている状況なのだ。


 なんつうか。

 ペット、みたいな?

「――っこの度は、大変、、お、おひがらも」

 喫茶店に入った瞬間。

 品のあるお嬢さんを捕まえて、だ。

 ボクだって何口走ってんだって恥ずかしくなる口上を述べて。

 ウエイトレスさんが運んでた水を、煽ってた。 

 緊張するよ、ボクだってね。


 エサちゃんは別格。

 も、もう。

 兎に角、別格なの!!



 リアルの彼女は西洋人形みたいな雰囲気がある。

 いや、そもそも本名はエリザベートと言って、アイスブルーの瞳に長いまつげ、白磁のような肌と艶のある金髪にちかい赤茶けた髪をもつ。カッパーゴールドみたいな色合いかな。

 指も細くて、かまぼこ板にイチゴ大福が2個。

 ぷるぷる揺れながら鎮座されている。

 神々しい感じ。


 ボクのお嫁さん、綺麗。

 なんて見とれてたら...

「着てくれたんですね、それ」

 ああ。

 黒豹宅急便が無理やり郵便受けに突っ込んでいった、八ツ橋家からの贈り物。

 宅配済み確認票には『お嬢様からのご厚意にいつまで群がってる、ムシども。はやく自立しろ』って書かれてて、ボクが涙目になったのは言うまでもない。

「これ? なんか男物?」


「はい。よくお似合いです。(細い指が重なり合って)マルちゃんに折り入って頼みがあるんですよ」

 折り入ってなんて頼み方が久しい。

 小さい頃は同じ母乳ちちで育った仲だし。

 台拭きで指を清めてたボクは。

 唐突に、席を立つ。

「あら、あらあら」


「エサちゃんがそういう時は、()()()()()()()()ならないんだ」

 小遣い稼ぎだって言って、中学生のボクに誰かの身元証明なんかを、山に捨てに行かせたし。

 帰省のたびに怪しい粉を国内に持ち込ませられた。

 どれも嫌疑不十分でお咎めはないんだけどさ。

 碌なことがない。

「それはまた...このご時世。いえ、この季節で新しい入居先って見つかるんですかね?」

 卑怯だぞ!!!

 真っ白で美しい手を取るニート。

 頭はボサボサ、なんか沸いてそうな脂ぎった顔のハナ姉がボクの横に。

 いつの間に入ってきたんだよ。

「エサ子お嬢様に、不遜な態度をとる義妹はおりません」


「でも」


「ですから、これは確認。何をすれば宜しいのでしょうか」

 詳しい話は、エサ子が用意した屋敷のリムジンの中で行われた。

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