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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2080/2360

- C 943話 賢者と魔女の末裔 3 -

 ダービーの郊外で、激しい銃撃戦を意図的に起こしてみた。

 これらの理由に大きくは、404たちの退路が悟られない為であって、恐らくは“租界する一団あり”って報告された可能性がある事だ。夜回りの婦人会・自警団なる組織が組まれ、ダービーのみならず王都“ニュー・キャメロット”と、郊外の“ブルーム”、東の“ウインダム”城塞、“スター・クリーク”城、“ワイバートン”城塞と“ヘッドランド”城塞都市の城司、城主、市長などの協力の下で。

 夜回り婦人会が立ちあげられた。

 参加者は兵士や騎士の奥様方。

 そのご家族などが中心で、城州王が治める新生・南洋王国が内戦から、すべての争いごとに勝つと信じている狂信的な方々である。


 その自信がどこから来るかは定かじゃないけど。

 市民が国政に参画していると思わせた訳だけども。

 ちょっと周りが見えていない気がする。



 さて――銃撃戦となった街なんだけども。

 ボクが用意した兵力は、遠隔操作型ゴーレムである。

 まあ今風に言えばドローンなんだけどね。

 操縦は簡単。

 いくつかの中継点を設けて、都度、シグナルの増幅処理によって離れた場所から、遅延なくゴーレムの操作が可能になっている。もっとも、超高高度にて滞空している“コウテイ・マンタ”級飛行ゴーレムがあってこそ、成立する離れ業とも言えた。

 怪鳥ゴーレムや、飛竜ゴーレムでも代用が。

 ボクなら即答する『無理だよ』って。

 何回地表に向かって、送受信し合わなければならないのか。

 基地局が沢山必要になると、コストや傍受、妨害のリスクは高くなる。


 ふーん。

 ボクの美学が赦さない。

「あら、マルちゃんにそんな高尚な?」

 もう、モルゴースさんはバカにして。

 あ、ちょ。

 ボクの()()()嗅がないで。

「これ、得意なゲームに似てます!!」

 楽しそうにアサルトライフルを連射するモルドレット卿。

 聖櫃のアマゾネスな女性陣にも助力を頼み、ボクと共に1440p解像度の240hz張り付きでプレイして貰ってる。何となくゲーマーっぽい雰囲気が、いや匂いがしたんで。声を掛けてみれば、ヴィヴィアンさんも乗り気でぐいぐいのめり込んでて。


 っ、すー。

 なんて言うのかなあ、この人らに任せてればさ。

 ボクなんて要らない気がして。

「よし、ひとり駆逐完了!!」

 そいつは敵将校さんのようだよ。

 マジかよ、ヘッドショットか。

 このモニターが骨董品すぎて。

 ゴーレムの見ている光景をアウトプットすると、どうにも数十年前のインディーズゲームっぽい荒さがあった。

「シューティングはね、周囲の解像度は二の次な訳よ!」

 4Killゲットってガウェイン卿が吠えてて、

 グィネヴィアさんからうんちくが漏れ出してる。

 えーと、普段からやりこんでるクチです、か~?!



 ダービー守備隊が増強される。

 そりゃ派手な銃撃戦で結果は上々で、と、言うか。

 上々し過ぎたんだ。


 聖櫃のアマゾネスチームの皆さんが張り切り過ぎて、だね。

 確かにタゲを盗ってくれと頼んだけどさ。

 門柱を挟んで銃撃戦で寄せる兵を、悉くワンショットキルする兵士が数十人と居て堪るかって話ですよ。

 船酔いならぬFPS酔いしてたボクとは正反対に。

 水を得た魚の如く。

 この人たちは無双して――とうとう「守備隊全軍の投入を命じる!!!」だってさ。

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