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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2076/2358

- C 939話 光の天使長 4 -

「この世の生物には体内を巡る魔術回路と、魔法力...オドがあります」

 一同とも頷く。

 いまさら講義される内容でもなく、魔法使いっていう特殊な職業じゃなくても。

 生活の中でごく簡単に使える魔法は、スクロールにかかれた術式を利用して発現させる。

 暖炉に火をくべる時なんかの触媒は。

 利用者の体内から絞り出すオド――生命力そのものである。


 使い過ぎれば、専用ポーションでの回復以外、失神後に落命する。

 魔法使いってのは自身のオドの総量を増やす訓練以外に、大気中にあるマナも利用し駆使して操る者たちを差しているわけで。このマナを感じられるか否かが、才能に直結していると言われてた。

 さて...。


「普段は生活魔法と言うくだらない事でしか使わないオドですが。およそ成人男性・女性それぞれの総量は火炎球1発分に相当すると言われておるのです!!(防護服のソレが楽しそうだ。オーバーアクションな身振りと、時々ひと指しゆびをベルでも鳴らすように、大きく振って見せてた)故に、その火炎球のような火力が引き金となって、特殊弾頭に火を灯すとなれば?!」

 両手を合わせて、ぱっと叫ぶ。

 身体いっぱいの大きな表現法。

 要するに人間爆弾だ。


 語る本人は愉しそうに話している。

 実験と称して、スカイトバーク王国に複数の亜人を送り出して。

 不発、或いは怖気づいてというアクシデントがあった意外だと、必勝兵器にはなり得た。

 結果は上々というところだ。


 が、聞いてれば狂気の沙汰。

 口を挟もうにも場の雰囲気からして、異を唱えにくい状況だ。

 で、城州王の嫡出子こと寧恬が。

「例えば、魔法士を爆弾にした場合は...」

 怖いことを言う。




 防護服の学士の動きが止まった。

 今までの楽しそうな雰囲気から一気に凍り付いたような。

「はて、威力は上がるでしょうが。それは洗脳してとか...」


「いや。頭の方は弄る必要があるのだとすればヤってもいいが。それだと、」

 ああ。

 魔法士の場合はイメージする力が()()を言う。

 使い込まれて効率的に成熟した魔術回路を用いて、マナとオドの練り込み方なんて長きにわたる訓練と、才能で埋めていくので。そうだなあ、蝋燭に火を灯す時に、これが自然と発火するイメージなのか或いは、吹き消す前の情況をイメージするかで差異が出る。

 吹き消す前であるなら、その逆算をすればいい。

 なんとも簡単な計算式だ。


 術者の頭を弄った後、その逆算が出来るかは不明。

「ヤッた事がないんで即答はしかねますが、恐らくは驚異的な破壊力を見込めると仮定は出来ます。しかし(指を交差して“バツ”を創って)、魔術師は魔法の暴走を恐れて己の中に、鍵の掛かった部屋があるというのです。まあ、魔女の系譜に連ねる...私も、似た引き籠り先がありますけどね? 自分自身の“たましい”をここに収めてしまってるんだとすると、不発しますね」

 いいとこ、半分以下の破壊力じゃないかと。

 その比較対象は、何も知らされていない亜人爆弾であるんだが。

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