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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2070/2356

- C 933話 祈る相手は、 3 -

「ちょっと待て!」

 モルゴースさんも、床に手を突いて前のめりに。

「何だ?! その近況報告みたいな!!!」

 そう正に近況報告だ。

 FPSゲーは苦手だけど、TPSモードが使えるパッチが当てられたので。

 最近は、()()()と頻繁にチームを組んでいる。

 いあ、あと。

 同年代のアレと、ソレとも組んでるから。


「うん、4人で予選会に出場したよ! とりま...ギリ通過したから。次の選抜は7日後だわ」

 近況報告しちゃう、バカ。

 ボクのバカ、バカ、バカ...

 ほら、みんなの目がマジ怖い。

「――いや、ほら。ええっと、世界の命運はさ。城州王らの自暴自棄を止めさえすれば...ね。えっと見えないし分からないけど、カウントダウンは消え、いやあ止まると思うんだよ。やだなあ、怖いよみんなの目がマジ怖い。あ、ダメだって...そこは~」

 吸われた。

 ハイエナのように柔らかいところから、ヤル。

 ああ、またひとつ。

 お嫁さんに行けない事が増えたような気がする。



 天界サイドでも少し日常ではないことが、あった。



 工房じしつに籠ってた髪の毛のお化けみたいになった、汚女神の顕現。

 おしっこ程度でも工房を出ることが無かったが。

 彼女が、そうだねえ。

 実に2千年ぶりに天界に戻った感じだ。

「うっわ、歩きにくい」

 第一声も、自身のなりに対する愚痴。

 これは、キツイ匂いを発してるだろう。


 天界の自浄機能のひとつ。

 強力消臭システム。

 巨大な換気扇が回って、天界はいつもフローラルに保たれる。

「換気扇が動いてるのに近寄りがたき、凄まじさ」

 天使たちが遠巻きに、汚女神を見てる。

 視線が合わないようにも務め。


 ちょっと苦しそう。

 天使の情況を見て、いや見えないなあの毛むくじゃら。

 ふと、立ち止まり。

 肩で息を整えてる。

 執務室から工房までの道のりは、60~70歩余り。

 普通の感覚だと、歩いてすぐ。


 汚女神の体力からすると。

 10歩で『いい運動したなあ』だ。

 純白だった上下のジャージも黄ばんでるし。

 スリッパも履かずに裸足で歩いてるんだけど、廊下に変なキノコが生えてる。

 最早、穢れ神みたいな。


 下級天使の群れたちが現れると、

「しつこい汚れも! 私たちで処理しますー」

 って歌声が。

 健気だ。

 もっと感謝しろ、汚女神がっ。




 汚女神は周囲を見渡してる。

 何かを探してるんだけど。

 この動きが、ゾンビ。

 猫背は...神じゃない髪が重たくて、満足に動けないから。

 ストレートでもなかったけど、巻き髪みたいな癖毛でもなかった。

 それでも髪束で、姿が隠れるような毛むくじゃらになると。

 そうもいかなくなる。

「右席は、右席は何処か?」

 最側近の天使を探す。

 あ、そいつ、

 “ちたまパックリ”事件の再来すっぞって、宣言したヤツだ。

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