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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2069/2367

- C 932話 祈る相手は、 2 -

 旧時代と近代の間には、約5千年の時間が横たわる。

 世界滅亡から、再生と創生の神代期ってのが3千年――“ちたま再生”記っていう古文書がある。


 羊皮紙のような獣の皮で書かれた古代文字。

 難読不能なオーパーツだけど。

 近年、日記じゃないかって話。

 生き残った(ナーロッパ系)神さまの日記。


 神代はひとりの乙女誕生後、開拓権は亜人種族へとバトンが渡る。

 これが近代まで続く人々の歴史だ。

 丁度、2千年と少しに至る。


 あ、ああ。

 神代を終わらせたのは、竜を従属せてた幼女と。

 世界かみがみを灼いた魔女、そのふたりから“お姉ちゃん”と呼ばれてた()()の3人だった。

 にゃあにゃあ聞こえてきそうな、百合の香り

 なんてこった、女神だらけじゃないか。



 そうだ、そうだ。

 この“竜を御した”乙女神の神話だが、ちょこちょこっと改竄の余地が見て取れる。

 天界に居座る事になった女神からの悪知恵に由るもんだが。


 ボクの知り合いに由れば、だ。

 ことの流れはこんな、感じになるそうだ――


 旧時代文明は正に、神々との決別・終末戦争なのだそうな。

 第1次AI独立戦争とでもいうか。

 箱庭観察してたら、観察者に楯突くのが現れた。

 無視してればいいのにレベルを落として噛みついた、研究者かみが現れる。


 アホだ。


 ま、そこら辺の醜い争いは無視してやろう。

 色々だよ、なんやかんやあって収拾のつかない事態にまで事が及ぶ。

 箱庭の住人達に、だ。

 その世界は観察されてると、知られた訳だし。

 気まずくなった。


 そこでフィルターが設けられたのが『天界』と『魔界』だ。

 もっとも、観察者が地上散策の息抜きをする為に作った『魔界』はわりと早い段階で生まれてた。

 悪魔の囁きだけはAIも感じてたわけで。


 例の“ちたまパックリ”事件が起こる。

 AIが起こしたのではなく、大人げない連中、つまりは神と信奉されてた観察者たち。

 サルとはあいつらのこと差す。



 管理者権限の一部を、AIの中から純粋な少女に委託することにした。

 先ず流れとしては、まあ。

 こんなとこだろうか。




 物語性は。

 清く正しい魂を持つ少女が御言葉アナウンスによって選抜され。

 神々の祝福を受け、全知全能神の娘として生まれ直すってストーリーがとられた。

 まあ、後出しじゃんけんみたいな手法だからな。

 これでも、ボクの知人はオブラートに包んだもんだって言ってる。

 第3稿までの表現は露骨されて、赤字修正されまくったという。

 そんなに添削されたら、ボクは萎えてシーツを恥ずかしいシミで濡らすと思うわ。


 耐えられない。


 いや、そんな軟なプロジェクトじゃない。

 リアルマネーが動いてるから。

 嫌らしいけど、これが現実なのよね。

「――で、魔王があるんだから神さまが居るでOKなんだよね?」

 ハナ姉は、もう。

 ここまでの語りがすべて、今! あなたのその質問。

 いや確認で台無しです。

「あ、うん。居るよ、結構な怠け者で“工房じしつ”に籠って、ゲームしてるっぽい。他の世界の神々とFPSゲーに興じてるって話、もう少し神さまっぽいことしてれば、可愛げもあるのにね」

 聴講者らが、小首を傾げてた。

 えっと、な、なに?

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