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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2062/2357

- C 925話 羨む者たち 5 -

 西大陸の正統継承者として――

 スカイトバーク王国が後見人として立ち、途絶えたとされる王朝の忘れ形見を表舞台へ。

 ペングラム王朝ウティカ2世として即位。


 その実態は。

 齢14歳のジャガジャガ王国から売り飛ばされた、薄幸の少年王である。



 欧州に対する抗議は形だけに留めた城州王サイドは。

 王国市民の多くを味方につけて――民意は我が王朝にある――って宣言。

 これは海を挟んだ静かなる外交戦争になる予定だった。


 そう、従来通りならばなる筈だったのだ。

 だが、そうならなかった。







 両者の立場による宣言の後。

 スカイトバーク王国・水上都市“サリュス”が忽然と、地表から消失した。

 現象としては強い閃光の中に呑まれたという証言が、同名湖へ漁に出ていた船頭から得た。

 急遽、国内の防諜組織が“サリュス”に派遣される。

「都市が蒸発した?!」

 ホリデーシーズンも間近に、都市でも浮かれてたようで。

 各国から旅の商人たちが溢れかえってたという。


 そうした一見すると、

 恒例行事のような活気あり、情熱的な雰囲気だった都市まちには、まあ何が起きても不思議では無かったのかもしれない。喧嘩とか、或いは盗賊やゴロツキが雪崩れ込んでくるとか、治安維持も人手が足りなくてかつて冒険者だった傭兵たちにも、助力して貰ってただろう。

 そんな水上都市サリュスに何が起きたのか。

 遠見の鏡越しに結晶化した小石を見せつけられる、拉麺・ローデシア嬢。

 なんつうか、

 すっごい眉間にしわが寄ってるようで。

 余りの寄せ具合から、橋でも掛けられそうな雰囲気があって。


 鏡ごと。

 ぐぃーんとボクに突きつけてきた。

 ローデシアさんら、一旦は西大陸の方へ戻ったんだけど。

 こんな蒸発事故があったもんで東大陸に密入国までして、ボクの工房に転がり込んできてた。

 鍵かけてたんだけどなあ。

「あんな鍵、鍵なんて呼べる代物じゃないっす」

 扉の上から、下まで12個もあるダイヤル式の鍵なのに。

 鍵とは言わないとはこれ、如何に。

「さあ、さあ、この現象についてフィズさまが師匠と呼ばれている、マル師のご見解は如何に!?」

 くそー。

 幼女然と愛くるしいフィズは。

 転がり込んできたローデシアこと、ぴんく☆ぱんさーの総長とアマゾネスらを迎え入れてだ。

 ボクに改めて紹介しやがった。


『この()()()()のが()()先生です』って。


 御かげで、ゴーレムの改良もしたいのに。

 精霊炉の暴走に無理やり付き合わされている。

「ちなみにこの世界での精霊炉の普及率ってどれ程なの?」

 ちぢれ麺を彷彿とさせる髪をかき上げながら。

 ああ、玉になって指が抜けなくなったみたい。

 そんなに引っ張ったら指の前に、禿に成るよ?!


 ああ!!!!


 こう言わんこっちゃんない的に。

 髪が束で抜けたように見えて、ウイッグが頭からもげた。

 工房にて働いてるゴーレムと。

 茶会だけ楽しんでるモルゴースさんにメルちゃん、エサ子、フィズに...ああ、ウナちゃんが一斉に。

「ぎゃあああああああ!!! 頭、もげたあああああああ!!!!!」

 大騒ぎになったのは必然でした。

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