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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2058/2368

- C 921話 羨む者たち 1 -

 スカイトバーク王国が三公の独立に前向きな姿勢だという話題が、台州に流れる。

 欧州列強の一つに数えられ、その権威と武威によってインド洋付近でも、その名が轟いている。

 轟いてるけども、残念ながらそこそこの大都市じゃなければ、その名を聞くことも滅多にない。

「影が薄いとは思ってたけど、ここまで?」

 西大陸の404が経営する娼館に戻った連中ローデシアは、客分として元ホテルの上階を貸し切っている。

「ルームサービスで呼び出すの、やめてくださいます?」

 書類仕事が溜まっているとラミアさんは、はっきりとお付き合いを断った。

 ローデシア(偽名)はおいおいと泣き崩れ。

 しばしチラチラと慰めてと言わんばかりの圧を与えてくる。

「うっわ、めんどくせえ」


「そういうなよ~今なら、どっちでも子を産めると思うんだ。な、なんなら排卵日が近い感じがするボクでもいいぞ!? ラミアとの子ならきっと可愛い魔女になるだろうなあ」

 勝手に家族計画を妄想し始める。

「魔女が可愛い?! 御冗談を!!」


「いや、可愛いよボクたちの子供だし。女の子なら問答無用で魔女確定だけど。男なら...いや、可愛いゴスロリコーデで羞恥心を破壊して、性別をトランスさせれば男の娘に出来るかもだし。そしたら魔女でもOKじゃないかな?」

 魔女一択しか、ねえじゃねか。

 しかも男の子が誕生したら人格破壊って酷くないか。

 マジ、親に成っちゃいけない人だ。

「こ、この人でなし!!」


「いやあ、それ誉め言葉だよね、嬉しいなあ」

 褒めてねえよ。



 スカイトバーク王国の三公に対する協力或いは支援は、外圧からとなる。

 南洋王国に対する、統治者としての正統性の有無といったところか。

 訴えの反証として――欧州総領事館より、西大陸売買契約書が提示されている。

 所有者が旧王朝から、城州王の手にあるという事実。


 ナーロッパ評議会。

 薄暗い室内で円卓を囲んだ権力ちからある国家元首たちが集う、非公式会議。

 そこにスカイトバーク王もある。

 カネは出さないのに意見くちだけ出す、国王という名物王で。

 この強気姿勢と、格の違いは防諜機関・ぴんく☆ぱんさーがあるからという。

「苦労して探し出した、あの青二才でもかつては王族だ。ま、見つけた時には威厳の欠片、いや輝きすらも失った見事に縁の掛けた器のような、ガラクタであった」

 スカイトバーク王は、失望の念が隠せない。

 原住民から金貨400枚で売られた王族である。

「高い買い物だったのか、安かったのか」


「珍しいな、国王が弱気とは?」

 議長国・グラスノザルツ連邦共和国首相。

 丸縁の眼鏡をはずして、専用ナプキンで拭ってた。

「西大陸のアレ、反故に出来ぬか?」

 表がダメなら裏から。

 欧州ルールは国際法と呼ばれるもの同義だ。

 そのルールを定めるのは欧州評議会。

 何百年経とうとも、ナーロッパが世界の中心であり続けているのだ。


 いや、これから数百年後でも。

 そうでなくてはならないと、欧州の国家元首たちは考えている。

「そうさなあ~ 渋チンの国王陛下。あなた、今、幾らで買い取りますか?!」

 やっぱりそうなるよなあ。

 ナーロッパらしいわ。

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