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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2055/2356

- C 918話 狂気と脅威 3 -

 城州王は、先の精霊炉暴走によるモニター艦の爆発事故に追加調査を命じてた。

 特殊弾頭の実験には成功している。

 射出する時点で、従来の技術でも問題がないのに。

 なぜ寄りにも由って今。

 精霊炉を改良したのか。

 これに疑問を抱いてしまったのだ。


 ちょっと考えると。

 苦しい言い訳のようにしか聞こえてこない。

 いや破壊工作なのだから、苦しい言い訳なのだ。

 調査をしたのも、ローデシア本人だから。

 咄嗟に口から出た言葉を、報告書に書いただけ。

 適当な言い回しがコレだ。





 そうなると。

 城州王は精霊炉の持つ無限の可能性よりも、だ。

 単発で終わる破壊性に興味が向いた。

 完全に暴走させなくても、船ひとつ分を大破せしめる威力がある。

「なんて素晴らしいエネルギーなんだ!!」

 という発想に行きついた。


 これを兵器化できないか、とも。



 つまり、

「海を蒸発せしめた爆弾と、不安定な精霊炉の組み合わせが用いられた。鑑定結果としては“狂気”だ」

 この世界にも未だ、あるか分からなか“()”への冒涜。

 旧時代のツケで美しかった世界が傷だらけになって、今、また...。

 城州王と言う破壊者が、世界を傷つけようとしている。

「――っ、この世界には悪魔しかいないんですか?!」

 地獄のようなって言われる。

 神の存在より、悪魔の存在の方が多く見受けられるから、人々はこの次元を地獄と表現するんだが。

 鶯はリリィの手を取り、嗅いで。

「糞を握った手じゃないな...こんな些細な幸運も、地獄であれば赦されないだろう。()()からすれば、今まさに神の存在を知ったところだ。奇跡だと言って、キミらと分かち合える...じゃ、此処から、狂気への対処法について協議しよう!!」

 泣き崩れてたリリィとユウキの顔に光が差す。

 まあ、その小さな奇跡も。

 ふたりの行動をよく観察していれば、答えなんてのは簡単に分かる。

 それを如何に効果的に演出するか。


 狂気にアテられたふたりには、希望を持ってもらわないと困る。

 だって、魔女の血族には団結して貰わないと困るから。

 とは、グィネヴィアさんの言葉。

『これから苦しい戦いが待っている』



 ウナ・クールの意識は、高高空にある“キング・マンタ”のスライムに移ってた。

 用意できる適当なアバターがスライムしかないのは材料上の都合でしかない。

「緊急って何? こっちも事務処理で忙しいんだよ、25分の休憩は食事タイムと煙草喫煙の大事な時間なんだよね、分かるかなあ~ この社会人然とした」

 うねうね動くスライム、もとい。

 ウナちゃんに向けられた険しい艦長たちの顔。

 視線は、壁に埋め込まれた巨大スクリーンにあって――「これより天界放送が流れる、各界の守護者たちよ心して受けるがよい!!」――声の主は、魔界を統べる少女皇クロアのもの。

 で、スクリーンに映った異形の者と、金切り声。

 高次元の音? いや、ビープ音めいた何か。


「ちょっと、何があったんよ?!」

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