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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2051/2356

- C 914話 三公の独立 4 -

 怪鳥ゴーレムに、精鋭の()()を搭乗させる。

 これを大隊や、連隊規模で海峡を渡るというのだ。

「うへっ、そんなん地上から砲撃されたら」

 グィネヴィアさんの手元に戻ってきたボク。

 お腹をスーハーされたのち。

「心配ご無用!! 対物理防壁ナマラ・イージスを展開するよう、組み込んでおくから」

 ん? なまら???



 つまり、航空兵力でかつての条件付きというのは、もう障害でもなんでもない。

 今のところ怪鳥ゴーレムにしろ飛竜ゴーレム、カイザー・ヴィルトを模したゴーレムの製造法はゴーレムマイスター以外、無理であるという。

 所謂、オリジナルを越えられない劣化品ならば、模倣は出来る。

 ボクとしては、それでも十分ではないかと思うんだけど。

「それ、本気で言ってる?」

 おや、何か踏んではいけない尾を踏みまして?

「――マルは時々抜けてる事を言う」

 ハナ姉の下に回ってきたボク。

 背中ではなく、お尻を嗅がれた気がする。

「汗ばんできて、香ばしくなってる気がする」


「な、なんと?!」

 食いつくメルちゃんと、何故かゴロゴロしてた寧華さんも飛び起きた。

 モルゴースさんが紅茶を新しく淹れ直して――。

「発掘兵器の筆頭は、怪鳥ゴーレムだが。これの操縦には何ら制約がない。おそらく馴染みのないゲームパッドのような...2本の左右非対称のアナログスティックと、X、Y、A、Bの丸っこいボタンなどが配されて。使い方さえ分れば、誰でもが意のままにゴーレムの操縦が出来る」

 うん。

 それがコンセプトだ。

 昔から、魔法使いじゃなきゃダメなんて条件、有難迷惑だから付与していない。

 それが?

「なるほど無自覚という訳か」

 グィネヴィアさん、深く息を吐いて嗤ってた。

 悪い感じの方じゃなくて。

 呆れた感じ。

「まま、そういうとこあるんで、こいつ」

 ハナ姉の手から離れたボクは、メルちゃんの掌中へ。

 汗ばむ首筋を舐められた気が。

 いや、見てたモルゴースさんから「抜け駆けしたな、この泥棒猫ちゃんが!!」って。

 え、あ。

「――えっと、航空騎兵構想によって地政学は新しい段階へと置換される。一気に時代が奔るような感覚だけども、こうなると...三公の背は同時に各個撃破とかも出来てしまうわけだけども、こいつは私たちにはメリットがない!!」

 精鋭の方は、キリングヤシガニの()()()()小さいのがアレば。

 グィネヴィアさんの構想としては、常にボクの手から生まれるゴーレムが基準で起草されてて。

「マルの頑張りが戦略の要とは...何故です?! グィネヴィア氏」

 わりとボク回しで仲良くなってた筈のハナ姉が久しぶりに、キレた。

 グィネヴィアさんに掴みかかる前、同室にあった平服のガウェイン卿に止められたトコ。


 あ、居たんだ。

 くらいの鎧なしとのギャップ。

 彼女もボク吸い仲間である。

「よせよせ、ハナ。教授せんせいに何するかなんて質すことはしないけどさ。余計な体力なんか使うだけ損ってもんだろ? てか、手酷く返り討ちに合うお前の面倒なんて、あたしは見たくないよ?」

 ハナ姉が腕っぷしで負けると。

 いや、襟首掴まれるのを待ってるような、雰囲気は確かにあった気がする。

「ハナ君のキレどこは、うんうん、従妹思いは大変結構だ。お年頃のマルちゃんを仔猫でも扱うように吸い回すので、マスコット以外の感情は無いものかと思ったけども」

 挑発しないで。



 暫くすると、地上にある宮殿から。

 茶菓子を申し付けられた、中身三十路の幼女ウナが工房に降りてきた。

 そこからは、ボクとウナちゃんの回し吸いの会が設けられ。

「三公にはそれぞれ、条件付けで独立して貰おうと思う」

 果てしない構想の末か。

 或いは...

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