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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2048/2357

- C 911話 三公の独立 1 -

「西大陸の内戦をもう少し活気づかせたい」

 何ですと?



「漠然としたいい方で申し訳ない。具体的には、三公からしばらくすれば...(ひと呼吸の間が取られた後)申し出が来るだろうな。その()()にすぐに飛びつかないで欲しい」

 提案?

「提案なのか、ソレは?」

 食いつくグィネヴィアさん。

 おやおや、何か見えてます? お二方。

「何かアルと悟られましたか」

 これは探り合いだろう。

 先に撤退したのはグィネヴィアさん。

 たぶん、

「いあ、いい。話を続けてくれ」


「ま、悪い話ではありませんが、件より...貴国内で暗躍しているスパイ連中は、城州王の坊主が手の者。まあ、把握しておられるでしょうけども。その泳がせている連中の中に少し厄介なのが居りまして」

 歯切れ悪いなあ。

 こういうのは“教えてもいいけど”なんてのがあって、恩を売るってより捻じ込んでくる感じ。

 で、だ、後日。

 アレの借りを返して貰おう! 身体でなって感じの要求が来る。

 っほんと、厄介な貸し借りだと思う。

「そうか、その厄介者を敢えて見逃した結果、こちらが手痛いしっぺ返しでも貰うわけだな」

 ハナ姉は黙々と聞いてる方。

 グィネヴィアさんが、質問してるんだけど。

「流石は、陣営の軍使さまだ!! 戦場でも武人の如き大活躍との事ですが」

 総長さんが見ているのは、グィネヴィアさんの方で。

 ハナ姉じゃない。

 ずっと押し黙ってたり、時々、ガウェイン卿に話しかけてたりしてるだけで。

 ああ、役割を変えたんだ。

 本当にぴんく☆ぱんさーには千里眼があるのか、と。



 ボクの出番は殆ど無かった。

 カウンターマジックまで仕込んでたのに。

 帰城後まで、も。


 で、ボクらが帰った後、メンマステッキを放り投げた総長さんは、床に転がってすすり泣いてた。

 どうした、あんた?

「めちゃくちゃ怖いじゃんか、どんな化け物と付き合ってんだよ」

 アリスに当たる女性。

 履いてたヒールまでも肉巻きウインナーに放ってた。

「当たると痛いから、辞め!! 止めろって!」

 ごろんごろん転がって逃げる。

 部屋の端で止まって...

 顔は何処だろう?

「なあ」


「口を利くな、糞、キノコ派め!!」

 タケノコ派ともども何があったんだよ、キノコに。

「三公ってのは」


「地方領主の筆頭格の三者だ。東大陸がかつて義帝・女王の傍流血統で蜂起して以来、あの国境には三公っていう辺境伯制が敷かれてある。火山地帯でもあり、侵攻も容易では無いんだけども(ちぢれ麺が如きウイッグを剥ぎ取って)西大陸の連中、特に王族たちは()()()()罪は何代も重ねてきたんだろうねえ、さっさと忘れちまえばいいのに」

 総長は大の字に手足を伸ばす。

 ああ、えっと股をそっちに向けると――アリスさんがニマニマ微笑んでる。

 うわぁ直視と言うか、怖いなあ、ソレ。

「城州王が真の王として立つには、辺境伯制は無意味だ。そもそも、アレと三公との間に前王朝繋がりの忠誠心は無い。王国の中に別の国を三つも抱えているようなもんだしな」

 なんか、鼻息しか聞こえてこない。

 いあ、耳を澄ませると...

 もっと開けとか、か、嗅がせろ、嗅ぎたい、戴きますとか。

 肉巻きウインナーが空を飛んだ。

 いあ、天井めがけて。

「死ねやー!!!」

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