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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2047/2367

- C 910話 ぴんく☆ぱんさー 5 -

 スカイトバーク王国の野望は、アジアの新しい領主として迎え入れられることだ。

 大航海時代から後れをとって3世紀半。

 冒険者を送り出して生計を立ててた国家だけど。

 急激な変化に取り残されてしまった。


 巨大な帝国の解体と、再生を見て。

 国外に埋蔵させた資産によって見事に返り咲いている現実。

 まあ、これは単に搾り取っただけに過ぎないんだけど。


 スカイトバークには不死鳥のような再生に見えただろうし。

 国家の蘇生とも言えるだろう。

「鬼掛りですね」

 とは、王室関係者の言葉のようで。

 カスピ海が隕石の衝突によって、ペルシャ湾とオマーン湾、インド洋と繋がった立地となったけど。

 大海に漕ぎだす遠大な思想は持たなかった。


 スカイトバークにとっての世界とは、自国を中心とした中央アジアであって。

 ナーロッパではないし、極東でもない。

 それぞれの端っこから来る文化や、影響を少しづつ受ける程度で。

 栄えていくことが出来た。



 ホテルの一室に、王宮からの使者としてハナ姉とグィネヴィアさんが現れた。

 従者として従える騎士にガウェイン卿が配置されて、巨人族の中にボクが混じる。

 魔術的サポー()メンバーだって話で。

「甲蛾衆のスノー・カフェインです」

 扉の前で、アリスさんの代わりに応対してきた少女。

 明らかにガウェインさんが警戒してるけど――会談に参加するハナ姉の肝の太さは、しめ縄よりも太いのは承知の上だけども、グィネヴィアさんの方はもっと動じてない。

 まあ、ボクらと甲蛾衆なんて身内のようなもんで。

 緊張はしないけど。

 聖櫃の方はどっちかと言うと...

「どうも、どちらが聖櫃の関係者で?」

 案内された部屋の奥に、ぴんく☆ぱんさーの総長があった。

 いつもの変装。

 ちぢれ麺を彷彿とさせる長髪ウイッグに、メンマ風のステッキ。

 これが最初に視界内に飛び込んできた情報だったが。

「(片目を手で覆いながら)なるほど、魔女というのは本当らしいな」

 ハナ姉の目が細くなる。

 獰猛な獣のように喉を鳴らしてるような。

 や、やめ...

「先ずは話を聞こう、それから噛みつけばいい、だろ?」

 グィネヴィアさんの制止。

 ボクは、ガウェイン卿の影に隠れてた。

 同じ属性の魔法使いなら、視認されないように動いた方が得だろう。

 例えば結界とか。

 カウンターマジックとか。



 会談の内容は、甲蛾衆と事前に打ち合わせていたものと同じものだった。

 まあ、どちらかと言うと“提案”にちかい。

 聖櫃と袂を分けてただ今、独走中の城州王を止める事。

 近いうちに、ただただ壊して回る厄介な為政者になると、予見したとか言ってた。

「どういう事?」

 ハナ姉がボクに意見を求めてきた。

「多分、未来視の魔眼か、なにかかな?」

 確定しない未来のひとつを覗き込む能力。

 そこへ至る道のりも見えるので、回避可能ではあるけど。

 至る道の方が漠然としちゃってる時が多い。

「どうしたのかな?」

 ハナ姉が従者の騎士と相談しているように見えている。

 それが総長さんには、不思議そうに見えるようで。

 勘のいい人は厄介だなあ。


「で、どうしろと?」

 グィネヴィアさんの問い。

 再び、タゲを取り直す行動は流石です。

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