表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2042/2358

- C 905話 霧の向こう 5 -

 ボクは、島の北東にある砂漠に移動してた。




 このエリアは、激戦の跡地という設定で。

 停車駅の要塞機能は壊滅的とされ、停車する列車は皆、兵員輸送車だけだった。

 さて、内陸にある都市部には“ウイグスリー”と命名された、当時...うーんとパンフでは四半世紀前。

 ざっくりしてんなあ。ここの設定。

 かつては活気がある名だたる開拓都市だったという。

 現状、人の気配があれば友軍か或いは、敵軍かのソレしかない状態である。


 で、ボク。

 受注したクエストの成果報酬の受け取り場所が、だ。

 この“ウイグスリー”になってたけど。

 この連続するシナリオ形式のクエストはいい加減、どこかで可否のスイッチが欲しいところ。

 言うて。

 連続発生して一連のバンドルオーダーだからこそ、莫大な報酬とルートボックスがランダムで貰える。

 もっとも、金から銅色の箱がそもそもガチャで。

 ボックスの中身もガチャとなると、一部のマニアかマゾ体質でしか回されないわけで。


 ああ、ボクも新しいオーダー獲得のために毎日一回は、()()をする。

 糞めんどい。

「本音が駄々洩れ、プラ蔵ぉ~ちゃん、いい加減諦めてね~ええ」

 イケメン狗頭がこちらを拝んでる。

 崇拝してるんじゃなく、ボクが彼に付き合わされてるわけ。

「姉の目を盗んで、ここに居るって言ったよね? こんな毎日インしたら連続バンドルオーダーに付き合わされる...」

 狗頭がボクのアイテムポシェットに、ガチャ券を捻じ込む。

 駅前で配るティッシュに付いてる優待券じゃない方。

 そんなゴミ捻じ込んだら殺すわ。

「これは前金。ほら、欲しがってたガチャ券、えっと4枚でいいんだよね?」

 不足分だ。

 確かに4枚でいいとは言ったが、今のところ2枚頭が出てる。

 ま、くれるというので貰っておこう。

「...っ、ソロアタックした友人がさ」

 うん。

 クエスト受注には隠し要素がある。

 もっとも、円滑に回す側には意図がある――PTパーティ必須条件。

 世にある遊戯の目的は、大勢でコンテンツを楽しく消費して欲しい、と。


 そんなに沢山、友達がいればな...

 そもそも論で言って。

 友達とわいわい騒ぐわ。


 まあ、ボクの寂しい私生活はどうでもいいな。

 どんなオーダーも複数人で挑んで欲しいというルートを促している。

 じゃないと、コンテンツの消費。

 いわゆる寿命が短くなるからだ。




 故に!

 沢山回されて、消費されてもマゾ仕様にすることで防ぐ。

 ああ、そんな事をしたからソロが増えたんだけども。


 PT必須には必ず定員枠がある。

 最低でも4人以上。

 ここで定員割れを起こしたら、難易度があるとすればよかった。

 ソロプレイは無理ゲーってね。


 アホだった。


「定員割れで、逆にエネミー側が良心的でサクサク倒せるゆるげーになったって話、したよね?」

 ああ、された何度も。

 連続発生ノンストップ・バンドルオーダーでなければ、時間がおしたら離脱したいとこだけど。

 これトイレタイムもないし。

 マジ、怠い。

「また、本音が吹きだしになって出てる」

 寂れた開拓局前でのコントだけど。

 毎回、おなじメンツを見るなあ。

「おたくらも、性癖が同じで?」

 違ぇーよ、話かけんな!

「いや、十蔵はノーマルだと思います」


「は?!」


「え... ヤベ」

 お前?!

「や、ち、違うよ。違う、違う、違う...ここから出るルートボックスが目的で」

 繕う怪しさ。

 こいつ真性だったか。

「や、あー...クエスト始まるよ」

 糞、また周回かよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ