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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2035/2357

- C 898話 ルビコン川のほとりにて 8 -

 ぴんく☆ぱんさーの総長はアリスさんをメンマっぽいステッキで小突いた。

「キミのとこの雇い主はどう?」

 馴れ馴れしいなあって顔に出そうになった。

「あーいやいや。キミは漢だから唇は愚か、触りたくもない。ラミアちゃんにはボクの子を産んで欲しいと思うけど!! キミは感染させる方のキノコだろ? タケノコに駆逐させられてしまえ」

 で、ステッキで小突いてる訳だが。

 両手で顔を拭った。

 少し冷静になりたかったし。

「何かあるのか?」


「思わせぶり...かもだが」

 いあ。

 東大陸サイドにも破壊工作の対象が?!

 とは思いたくもない。



 だが、観光だの遊びに来たのだと言うのも。

 覆ってる手の端から総長を見る。

 観察する。

 彼女も見られてる事は分かってる――互いの綱引きだが。

 ラミアにはちょっかいを止めない。

「義姉に構わないでください!!」

 リリィが吠えた。

「おや? お姉ちゃんを盗られた気がして妬いちゃったかなあ?」

 煽る煽る。

 リリィが苦し紛れに毒を巻きかねない。

「おい!」

 少女を護ろうと?

 いあ、リリィの毒からアリスさん自身を守る為に動く。

 で、だ。

「あ、キノコ派の方は近寄らないでください。わたしもキノコは少し、苦手なんです」

 触感的にだが。

 完全に否定はしてない。

 孤児だったけども、その行為がなければ。

 自身が生まれ落ちてなかった事くらいは理解してた。

 ただ、孤児院長が擦りつけてきた記憶は、どこかに封印したいものであるし。


「っ話が進まん」

 ラミア自身が総長の触手を振り解いた。

「破壊工作の具体的な」

 指を立てて、チッチチチッチ...

 総長はラミアさんでも、優しくない時がある。

「こんな壁の薄いところで言えると思う?」

 皆が唾を飲み込む。

 そんな音さえ聞こえた。

 いや、ひとりだけ。


 そうひとりだけは、ラミアさんが呑み込んだ唾を物欲しそうに見てて。

「ちょっと...」


「あーいあ、なんかごめん。さっきまで吸ってたんだけど、恋しくなって」

 だから応答すな。

 こっちの調子が狂う。

「防音の魔術は仕込み済み。ボクは手が早いよ~指も舌先もだけど。あーはいはい、黙ります~。そういう話じゃないんだよね、はいはい。城州王の坊ちゃんが()()っていう連中から、狡賢い手段で入手した玩具に、魔女の弟子たちが大いに猛り狂っちゃったようでね」

 総長の情報収集方法は謎だけど。

 各方面を混乱させたようだ。


 特に、404の母体は異常な状態だという。


 ボクら東大陸側に傭兵契約が結ばれたのも、恐らくは。

 どこかで警鐘が鳴らされてたからかもしれない。

「そこで、だ!」

 はい、本題かな。

 総長だけでこの地にはいないだろう。

「キミたちの何れかが聖櫃って連中と繋がってたりしないかい?」

 ん?

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