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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2023/2357

- C 886話 王国の行方 6 -

 執務室の椅子に深く座り直す。

 寧正の食指に冷静と言う魔法をかけて――深く息を鼻から吐ききった。

《仮に辺境公なんてのがなくても、数十キロメートルにも及ぶ海峡と高低差ある断崖は、存在するすべての国境線よりも分かり易い境界だ。戦争の仕方が変わった現代であると言っても、地域の掌握には人手が居るのは事実なはずだ...》

 辺境公の裏に隠れてるものとすれば。

 東大陸で独自路線で勃興した国家の動向だ。

 しかし、先駆けて諜報員を潜り込ませて監察しているわけだから。

《挙兵ともなれば、どちらにも利用は可能だが》

 寧正が鼻をかく。

 兵を動かすならば海路か、空路。


 発掘兵器と言えば、怪鳥ゴーレムか飛竜の出番。

《逆侵攻は可能か?!》

 寧正は首を振った。

 大きく、ゆっくりだが。

《時期尚早だ。時期? 時、...時間か》

 嫌がらせを思いつく。



 泉州王さんは、いあ。

 寧華さんだな。

 彼女は久しぶりに、本来あるべき器に魂を戻した。

 還魂術ではなく。


 術者としてのマル・コメの手を借りて、だ。


 結論から言うと。

 泉州王さんの身体は限界だったんだ。

 死体から死体へ渡る禁術は、不完全で定期的なメンテナンスが必要。

 生ガキ事件は、この禁術のデメリットを見事に引き当てた。

 まだ、上級ポーションの水溶剤に満たされたタンクから出られないけど。


 己の身体の感触に満足げのような。

 いあ、小さな膨らみをまさぐるように揉んでた。

「う、ご、ごほん」

 わざとらしい咳だと、ボク自身思うさ。

 だってほっといたら試験管内で粗相しそうだし。

 弄るのはいいよ、たぶん、馴染み具合を確かめる...ひとつの手段だと思う。

 ま、男の人の身体にはいったら、さ。


 ボクだって。

 たぶん、触ると思うんだよね。

 っと...。





 だ、だから。

 だから...そ、、、、それは、大目に見るんだよ。

『なに動揺してんだよ?』

 試験管からの問。

 メルちゃんは試験管に張り付いて、寧華さんの自慰をじっくり観察してた。

 鼻息が荒いんだけど?

「あ、や、...っそのぅ~」


『まあ、まさか身体これに戻るとは思わなかった、よ』

 花弁に指が奔る。

 ああ、想像した通り...

『これ、指一本も入りそうもねえな』

 触れると、痛ぇーんだもんよって言葉が続く。

 水溶液の中は少し滑らかに仕上がっている。

 ローションのような、そんな滑りだ。


 それでも、ダメ?


 寧華さんは首を振って。

『こんな状態で腸詰肉がって考えられねえな、まあ、あれだ』

 ボクの頭の上に「?」が浮いた。

『王座はやっぱ、寧懿に譲るわ!!』

 丸投げじゃねえか。

 いや、顔には出たと思うけど。

 肉体年齢的に、それと出産適齢期的にだ。

 寧華さんの本来の身体は幼過ぎた。



 少し、間があいて――部屋の奥から「えーっ!? あたしですかー!!!!」


 寧懿さんが叫んでた。

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