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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2020/2358

- C 883話 王国の行方 3 -

 結論から言うと、生カキに当たった。

 食中毒で船室から出ることが出来なかった。

 ウナちゃんと、ハナ姉はトイレの中で半腐乱状態になってた。


 魂だけが。

 ボクの周りにあった模様。

 身体も持ってきてよ。


 えっと。

 女王派の方々は、だ。

 泉州王さんの就任を心待ちにしてた訳だけど。

 ひと先ず、この貨客船の乗員は、下船したゴースト以外は療養が必須となったという。




 も~。

 なにやってんだよー。



 ゴーストシップと上手い事を言った、メルリヌスさんは映画の見過ぎだと思うけど。

 インドアの鑑よろしく仮想世界でも、引き籠れるメンタルの...いや、とてつもなく面倒臭がりな性格に勝るクスリはない模様だ。

 例えば、アレだ。

 デスゲームで、率先して攻略に参加しなくてはならない状況にあっても。

 彼女のような筋金入りのインドア派は――。

 “はじまり”の街から出ることは無い。


 ケツを蹴りだしても。

 きっと、別の街で引き籠るのだと思う。


 こういうトコはボクと違うんだよなあ。

 さて、メルちゃんは洗濯物である筈のボクの肌着を与えておいて、だ。

 病室に横たわる泉州王さんを、ボクは見舞いに行く。

 グィネヴィアさんと、エサちゃんを伴い。

 ハナ姉はトイレから未だ救出されてないっぽいので後回しだ。

「ややや?」

 しょぼしょぼになった目が物語る。

 生ガキの猛毒性を。

「なんか、初見さんが増えて?」


「初見か、パッと見て全体を見るなんて見どころがあるじゃないか!!」

 グィネヴィアさんの誉め言葉。

 横たわり、衰弱してなかったら“()()()()”さんを握られてたかもしれない。

 病室でトレーニングしてた、アロガンスさんと接見した瞬間に握り。

『なんだ?! やせ我慢かよっ。ふにゃチンとか勘弁しろよ、もっと硬くしてからきやがれ!!!』

 なんて殴り倒され、完治が長引かされた。

 そんな実績が、グィネヴィアさんにはある。

 だから...

「全体、をか。いあ~なんか期待外れで、、、面目ない」

 真っ青な顔色で、口端に泡を吹いてる。

 見たところポーションや、治癒魔法も効き目が薄いように感じられた。

 そこまで憔悴しきって。

「あ、いあ、これは自己回復がデキ、て...ねえんだろ?」

 グィネヴィアさん曰く。

 この世界での魔法知識は、錬金術の台頭により減退。

 衰退するほど行使者が居なくなったわけでも、マナが薄くなったわけではなく。

 そもそも錬金術だって、マナを()()に費やしているわけだから、魔法が無くなった訳ではない。

 どっちかと言うと。

 大量生産出来て、魔法使いなんて職業が成り立たなくなっただけの話。

 しかし、そこに弊害が生まれた。




「というと?」

 エサ子の教本めいた質問。

 これに応えるグィネヴィアさんは、さながら教諭のような。

 ような―― どこか既視感を感じる。

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