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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2019/2357

- C 882話 王国の行方 2 -

 西大陸は404の奮闘の末に、思惑と違った形で東大陸にちょっかいを掛けられない。

 そんな状況を作り出すことに成功した。

 と、同時に404は継続して、城州王らの行動の把握が必要になっている。


 帝国の魔女が遺したとされる“特殊魔導弾頭”。

 ドラゴンブレスにも似た、狂悪な炎を人の手で発生させる脅威の錬金術。

 これの出所もラミアらは調べる必要がある。



 リリィは、報告を受けてティーカップを、ソーサーに戻すことが出来なかった。

 連邦共和国そこくは、試験運用で似た弾頭の開発に成功している。

 使われたのは、東洋王国の島だったと記憶している、が。

「本国はソレを否定するよ?」

 ラミアがリリィの手綱を握る。

 握られっぱなしの義姉ではあるけど。

 特務機関へ問い質すことを、諫めたようだ。

「それは?」


「東洋王国のいち皇族、臣下、もとより反抗的な人物に連邦の切り札を切るとは考え難い。...と、なると...独自に至ったという可能性か、あんまり考えたくは無いんだけどね」

 ナーロッパが世界の中心であるという考え方は出身者であるから。

 疑ってはいないし、魔女の遺産は確かに存在している。

 こうした記録は、ナーロッパから離れると途端に少なくなるからなんだけど。

 そりゃ、あんな()()が実験室を出て散歩するとは思えない。

 偽物の植物に水をあげながら、

『いつ、花が咲くんでしょうか』

 とか。

 実に大真面目に肥料も与えてた、残念な子だ。

 ナーロッパ以外に出歩くとは...

 とても思えない。


 あ、むしろ。

 師匠たるボクのゴーレム造りとかいう著書は多いと思うのに。

 どこが保管してんだよ!!!




 カンバーランドに入港してきた貨客船がある。

 歓迎ムードとはちょっと違った雰囲気の――それはとてもショッキングな出来事だった。


 桟橋が解放。

 船から地を這うような寒気が降りて行った。

 ボクの目には、この世の者ではない何かが、中折れハットを激しく振りながら。

 なんて言うか。


 ゴーストたちが、迎えに現れたゴーストさんと共に家路についてた。

「あれ?! ハナ姉たちは???」

 暗闇の中から、何かが這う音がする。

 ズルッ、ズルッってな具合。

 耳に遺したくないのに聞こえてくる恐ろしさ。


 そういえば船員だんも見ないね。

「今、降りて行ったじゃん」

 エサちゃんが怖いことを言う。

 身震いは...

 おしっこ行きたくなったわけじゃない。

 これは、その。

 えっと、そう、武者()()!!

「は?」

 何言ってんだ、お前は?的な冷めた視線が突き刺さる。

「部類ってなんの部類よ」

 モルゴースさんに乳首を摘ままれた。

「あら、膨らみは残念なのに干し葡萄はいっちょ前ね」

 これでハナ姉が異形の姿でもいいから、這い出して――え?

 こない、来ないですって?!!!

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