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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2013/2356

- C 876話 それぞれの人々 4 -

 南の地域は、まあ。

 404の協力要請に対して“NO”を突き返した。

 この戦いは貴族の矜持であるとか。


 矜持や信条では飯は食えない。

 南の辺境は偏屈だったねって、反応に終わってる。

 ダービーにある娼館にて。

 ラミアが深くため息を吐きながら、ソファベッドに倒れ込んでいる。

 ただ、仕入れたソファは反発が強すぎたようで。

 彼女はその殺し切れない勢いと、身体全体の重量で反発されて――床に叩きつけられた。

「え?! なんで、なんで今、卓をズラしたの!!!?」

 そっちか。

 卓の角で怪我してたかもしれないし。

 或いは仰向けに背中を殴打してたかも。

 そんな可哀そうな状況にならないよう、リリィは卓をズラした。

「うそー、ヤダ、妹が可愛すぎるぅー!!」

 真実を知って悶える姉。

 いや。

 これは見てられないデレようだ。

「ズラさない方がよかったですね、はい」



 床で湿っぽくなってるラミア。

「いつまでです? 踏んでもいいんですか」


「踏んでください、思いっきりでも...少しでも」

 とは冗談で言っても、その気は誰にもない。

 ただ、現実逃避したいだけだって分かってる。

 404の存在意義は、内戦の早期解決ではない。

「北部と東部が拮抗している今、南部の戦線は膠着どころか1日1メートルの最前線更新なんて、状態が続いています。州境の防衛戦はほぼ、壊滅的で...」

 読み上げる一般事務の隊員たちも、状況の深刻さくらいは理解していた。

 このままでは州都・“ドーン・フォレスト”城に迫るのも時間の問題である。

「それでも、要請が反故にされました」

 東部・辺境公の紹介状をもって協力の打診はした。

 結果、我が領内には不要で無用と...返されたんだ。

 取り付く島もないほどにきっぱりと。


「さて、要請がないので。並みのスパイならば遠目から見てるだけ、です」

 ラミアというクッションに座るリリィ。

 いつ見ても鮮やかな銀髪の才女だ。

 ま、姉も尻に敷かれて満足のようで。

爆弾魔ボマー破壊者デストロイ愉快犯フェイカーなんてのも居ますが...」

 リリィの指先が、群衆と化した()()()の端で止まる。

 赤茶色の巻癖のあるショートヘアな少女。

 いや、幼女か。

 コードネームが実はある。

 妹たちの中で異彩を放つ――その子は、殺戮者マンイーター


◇◆◇◆◇


 現在の主要な人物たち 4

【甲蛾衆・ネームド】

〇アリス・カフェイン

 甲蛾衆の棟梁にして、最高の暗殺者。


 甲蛾衆は、交渉事から暗殺、同業者へのサポートまで熟す“()()()()”屋だ。

 スパイって柄じゃないし。

 情報収集はついでに過ぎない。


 アリスさんもゴスロリの衣装の中に、ナイフとか拳銃が隠されてるし。

 可愛い日傘だって防弾仕様だって話。

 界隈では有名らしいんだけど、身バレしてないっぽい。


 可愛い顔した、おっさんだってのに。


〇スノー・カフェイン

 妹分で、コードネームは白兎。

 その時々で姿や、雰囲気が変わるけど姉(或いは兄)想いのいい子。


 自堕落なアリスさんに代わって、しっかり者である。

 首輪がついたり、鞭で叩かれたりしてるけど。

 大好きなんだとか。


〇黒蜘蛛

 子蜘蛛7人と共に甲蛾衆に客将扱い。

 仕事は情報収集。


 ただ今、休暇中。

 もっぱら東大陸にて。


〇不知火

 雲雀、啄木鳥とともに作戦行動中。

 モルゴースさんから指令オーダーに応えるために、防諜教導団が送り込んだスパイの調査に励んでいる。特定したら、現地の司法機関に逮捕させるよう、働きかけているんだとか。



【特務機関・404魔導大隊・ネームド】

〇ラミア・リリードリス

 特務機関所属、階級は少佐で。

 幼女や少女の多い百合の園を預かる身。

 自身も凄腕の処刑人なんだけど...。


 実質は成れない事務処理に性能不足もあって、ポンコツぶりを露呈。

 妹に癒されたいと常々、オープンに吐き出している。


〇リリィ・フリードリス

 16歳、銀髪の少女――お嬢さま然としていて、優秀な能力ステータスを持つ。

 404は彼女の手腕により機能している。


 コードネーム“巫女”は、まあ。

 大隊内の立ち位置に起因している――二つ名はカース・ドラゴン。


〇ユウキ・シアン

 青銀髪の少女。

 なんでもデキるけど、なんでもは選びたくない。

 リリィの為だけに腕を振るうっていう性格で。

 普段から身の回りの世話を焼いている。


 彼女のサポートがあるから、部隊運営も円滑に回るようだ。


〇メイド娘

 コードネーム“ドッペルゲンガー”と名付けられた、桃色に灰色のメッシュが掛かった少女。

 とりあえず“人”限定ではあるけれども、骨格の制限なしに巨漢からベイビーまで、変装の類でなく()()できる技能を持つ。


 これらに戦闘能力は、持たせられなかった。

 情報収集するのみで。

 潜入とか、自由に行動が出来るとか。


 まあ、そんな感じ。

 直近の記憶も奪えるんだって。


〇ハンティング帽の雑用係

 コードネームは“狩人”。

 狙撃手であるってことで、同じ隊員では年少組に籍を置く。

 同隊員にニックネームをつけるのが好き。


〇白髪の少女

 コードネームは“爆弾魔”。

 リリィが副官としての仕事に従事できない時の代役。

 戦い方は不明。


〇赤茶色の巻癖のあるショートヘアな少女

 コードネームは“殺戮者”。

 獲物はナイフの二刀流で、リリィでさえ意識しないと知覚できない影の薄さ。

 活躍は、こうご期待。


〇優男“灰人”

 えっと、この人...何したんだっけ?


◇◆◇◆◇


 次はっと。

 

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