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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2008/2358

- C 871話 各国の動向 1 -

 ラミア少佐が撃沈した後に、

 アリスと対峙したのは“白髪”の少女。

 透き通るような色素ヌケの髪は、この年齢では珍しい。

 髪に栄養が行き渡っていない訳じゃなく。

 肉厚で精気に満ち溢れた髪質を誇る。


 年齢と共に色素が抜けた髪は、細く抜けやすくなるもので。

 量は多くても地肌が透けて見えるものだけど。

 彼女はそういう()()でもない。

「これは、地毛です」

 アリスが髪を見ていたのに気が付いて。

 流れを作るために踏み込んだ。

「失礼ながら、」

 問うか迷ったけど。

「少佐が傍に居たら話しませんけど、ええ、他の毛も...真っ白です」

 小首を傾げて微笑んだ。

 実に自然で愛らしい。


 対峙している少女だけじゃない。

 ラミアに仮住まいだと勧めた、娼館の上階すべてに少女たちがある。

 平均した年齢だと16歳前後か。

 年長であるラミアでしても、平均年齢が上がらない数。

「ふふ、ふん。下階の姉さんたちに可愛がられそうな、妹属性じゃないか」

 ある意味、彼女らが店先に立てば――ラミアが卒倒しそうだ。

 対峙してる娘も微笑みが絶えない。

《ちぃーっと、喰えない子もいるねえ》


◇◆◇◆◇◆◇


 各国の情況について

1)クイーンズランド王国

 かつて海エルフ族の長であった、人魚族の女王が支配していた地であった同名の州に興された、新生南洋王国といっても過言ではない同国。西に興された王国と体制や、支持層の違いにより国名は“クイーンズランド”となったようだ。

 欧州評議会――実在が不確かだけど、総領事館を通じて。

 世界の中心たるを自負するナーロッパ各地には、旧・南洋王国の正当後継国であると宣言してある。

 ※アリス・カフェインの手を借りて。

 また、玉座はいまだ不在の王を待つのみだけど。

 国軍の整備が進んでいて。


 〇キリングヤシガニ旅団

  100体のヤシガニ型ゴーレムが4個部隊に分けられ、戦力上旅団枠の遊撃部隊に充当。

 〇キリングヤシガニ方面軍

  200体のゴーレムを3個で運用する。

  女王派で養ってた私兵、ギルドを通して要請した傭兵の4000人で最初の国軍とする計画。


2)南洋王国

 ジャガジャガ王国に逃亡してた、亡命政府を抱き込んでの国家強奪。

 東洋王国の改革に早々見切りをつけた城州王によって、南洋王国が再興された形。

 取り残された若き王はただの人へ。


 前王朝との関りではなく、東大陸と同じく女王派が掲げる人魚族の『王の系譜』から、王国の()()()()()()()だとして、城州王を奉じてる点が東との違いであろう。

 ただし、これらの詭弁に対して。

 地方を治める領主たち、とくに辺境公と呼ばれる大貴族からは大いに反発された。

 王都とその近隣は、王家の領地だったこともあって無法地帯と化し。

 主なき地では治安が悪化してた。


 武力でこれらを平らげた城州王には『小覇王』の二つ名で呼ばれるようになる。

 〇国王直属・枢密院

  元は元帥府参謀本部麾下、防諜教導団と呼ばれた諜報機関。

  エースだった“不知火”を失ってからは、後継のスパイに恵まれずにあった。

  いくつかの養成学校建設に着手している。

 〇マーカス旅団

  南鳥浮島出身の学徒兵。

  一応、卒業見込みの5000人が対象である。

  2年生から、4年生までの1万以上の学生は、予備の兵として再教育中であるとか。

 〇陸軍

  白服が将校として直接指揮を執る勢力。

  武力制圧した後で、改易させた貴族の私兵をかき集めたもの。

  忠誠に難があるけども。

  金さえ続けば問題はないと思っている、らしい。

  ※航空兵力は未整備。


3)東洋王国

 内戦終結後は、大戦の後始末に奔走している。

 国内の海軍力や陸軍力も健在で、私兵だった元帥府が抜けただけという見方。

 戦争犯罪者として...

 白服のヴォーティガン派を討伐せよって布告した。


4)南欧諸侯連合・ヴェネツィア連邦サバ公爵領(売却済み)

 実行支配してた白服が残っている状態で、欧州総領事館へ売り飛ばされた地。

 サバ公爵の遠縁が管理することで、王家が買ったという話のよう。

「なんかさ、立ち退き要求に従わない連中が居るんだけど...お願いしちゃってもいいかな?」

 女王と瓜二つの顔が、お道化て告げる。

 仲を取り持った総領事館だけど。

 正直、参加国からの要求が煩わしい。

「ええまあ、こちらも諸事情がありますから...お願いされましょう」

 ヴェネツィアに恩を売らせたい方向で調整すれば、小国も黙るだろうと考えた。


5)ビスマルク多島海・ヒルデスハイム伯爵領

 豪州東西対立軸での立場は中立。

 まあ、メリットが今のところない。

 宗主国からも「現地の事は、現地に任せるから」って言葉があった。


◇◆◇◆◇◆◇


 とりま、このあたりで。

 次、次、行こう!

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