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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
2004/2356

- C 867話 東西対決 7 -

 海岸線の街には、改易させられた騎士や戦士が溢れていた。

 今のところ、騎士崩れや戦士崩れって感じの、本当に職にあぶれた者たちだ。

 冒険者ギルドにでも登録すれば。

 修めた職業の能力次第で、いくらでも仕事の斡旋はくるし。

 或いは再就職先も見つけてくれるもんだけど。


 それは、働く意欲のある者だけの話だ。


 気位だけでは飯が食えないと。

 早々に見切りをつけた者たちは、見込みがある。

 だって、己の腕に価値を見出したのだから。


 あとは評判通りか確かめればいい。



 青銀髪の少女ユウキ・シアンは、戦士として潜り込んで彼らを査定した。

 結果、厄介ごとに率先して首を突っ込んでくれる、同志を得たところだ――

「全治三日とか、言いませんでしたか? 先生!!!」

 すでに4日目の朝を迎える病室で。

 ミイラのような傭兵団と、元気なユウキに“灰人せんせい”が対峙してるシーン。

「金貨40枚、革袋で2つも貰っておいて...未だ、しゃぶる気か?」

 しゃぶる気は毛頭ない。

 気合で立てなくもないけど、イマイチ乗り気じゃない。

「俺たちのような崩れを何に使おうってんだ?!」

 ユウキの言葉足らずで、仕事の内容が公開されていなかった。

 おっと、少女の目が泳いでる。

「なんだ、話しても居ないのか」

 ユウキに呆れた灰人。

 情報漏洩を防ぐためと言えば、納得もするだろうが。

「白服の足止めだ」

 と、聞かされて――怖気づかれても困るし、告げ口も状況次第だ。



 大柄マッチョで、包帯の巨漢は瞼を固く閉じている。

 寝てるのではなく思案中。

「仮に俺たちが告げ口をするとしたら?」

 灰人に問う。

 ユウキへ向けてた身体をゆっくりと優男に、向けてた。

「どうもしないだろうな」

 理由としては、白服の進軍を遅らせるのが目的だからだ。

 何者かが“白服の邪魔をする”という報せに対して、治安悪化が著しい海岸線は、行軍ルートから外されると、灰人は告げた。

 また、いくつかの迂回路が策定される間だけでも、時が稼げる。

 灰人曰く...

「何も、実力行使だけがすべてじゃないのさ」

 ここに。

「とはいえ、だろ?」


「ふん」

 体格差のある男が見つめ合う。

 ユウキは...チュでも、するのかと思ったっぽい。

「海岸線を行軍させて、進むも地獄、退くも地獄というってのに落とし込みたいとこだ。出来れば、白服の戦力が削れるのが望ましい。さすれば半包囲程度、北方辺境伯の武威で弾き返せるはずだからな!!」

 改易されて燻ってる戦士たちが、辺境伯の下にぞくぞくと集結中だ。

 兵士の選別も404魔導大隊が担ってるんで、質はかなりいい。

「で、俺たちは何から始めたらいい?」

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