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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1948/2519

- C 821話 皇太后の戦い 1 -

 10日かかる時間的な理屈は、浮島にある精霊炉の出力に応じて計算されたもの。

 召喚された精霊とは、便宜上、()()()労働規定が組まれているため。

 単にエネルギーの塊として見る事が出来ない。

 しかも、条件として提示した以上、契約の一方的な破棄は今後の再契約に大きな禍根を残す。

 と、まあ。

 色々あるんで...

 王都からは目と鼻の先に合っても、浮島が“動きたくない”と駄々をこねれば。

 まあ、あとは海流か風の力で...

 まったく非効率的にもほどがある。


「ああもう、面倒だなあ」

 東洋で使用されている精霊炉は、すべて聖櫃からの提供品らしい。

 そういえば、潜水艦にも載ってた気がする。

「どうしたの癇癪?」

 仰向けのボクは、無機質な天井を見てる。

 今、左の腋の下がヨダレでぐしゃぐしゃだ。

 嗅ぐだけじゃなく、舐めるとか。

 どんだけ変態だよ。

「その変態さんがすることに身じろぎもしない子は?」

 ボクです。




 とにかく。

 精霊炉の都合によって、浮島を。

 ベースキャンプを棄てる羽目になったのは、間違いなく失態だと思う。

「布哇浮島はベース足りえないのではなくて?」

 反乱の後始末は終えた。

 造船区画の被害は甚大で、新たな艦船は建造できないらしい。

 これも反乱したサイドの工作だったようで。

 復旧は見込みが薄い。

 とは、布哇だけの話。

「リソースを裂いて取り返したのにって話。大鳥浮島ウェークはまあ、別物かな...」

 最悪、布哇を切り離しても元々、摂州王の指揮下にある。

 とりあえずのんびり、ついてくるだろう。 

 要は、強制的に指揮下に置いた布哇がまた、反乱しないか。

 そこが問題。

「そう?」


「そうなの!! 後ろから撃たれたら目も当てられないじゃん!!!」

 唇の前にひとさし指を立てて。

 メルリヌスさんは、

「そっか、じゃ。沈める?!」

 物騒なことを言う。

 腋の下を舐めてた変態が、だが。


 それも考えはした。

 エネルギー体でしかない精霊を酷使すれば、もっと早く行動が出来る。

 それが出来ないならとも。

 いいや、それは無理だ――東洋王国人から恨まれる。

 布哇浮島の目的は『農政事業』なのだ。

 ここで採集できる農作物は、海底都市の人々の生活、いあ生命維持に関わっている。

 これを沈めることは容易くはない。

「そっちの方が面倒。じゃあ、しょうがないからマルちゃんが統治しちゃう? いいやもっと、そう改造しちゃえばいいんじゃない」

 ボクが?

 カイザーヴィルトからの統治。

 考えてもみなかったことだ。

 聖櫃の中枢から?


 メルリヌスの方は、まあ。

 微笑みを浮かべて口を吸いに来た。

 ボクはなんでか蹂躙されっぱなしなんだけど。

 こういうのはご無沙汰のような、浮気のような...

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