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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1944/2521

- C 817話 王都の戦い 7 -

 摂州王さんと、泉州王さん。

 魔術師にハナ姉が漸く揃う時が来た――浮島大会合とか、納屋に掲げられた“大看板”。

()()が必要なのか?」

 あれとは、大看板のこと。

 へったくそな毛筆で、ウナちゃんが書き上げたもんらしい。

 本人は墨塗れになったというが。


 書かせて塗れると踏んだ、

 アロガンスと言うロリコン趣味の変態が画策したものではないか、と。

「誰かの思惑なんてどうでもいい」

 魔術師が吐き捨てた。

 彼の視線が泉州王に突き刺さる。

 総長メルリヌスはカイザー・ヴィルトへ戻ると、知り合いになった泉州王の話ばかりする。

 当然、魔術師としては面白くない話だ。

「え~だって、中身は女の子だっていうし~」

 え~だって~じゃない。

 外身には立派なエクスカリバーがある。

 鞘を求めている可能性だって否定は出来ない。


 ま、そこで突っ込んだ話をしたら。

 たぶん売り言葉に買い言葉の喧嘩になると予測か、予知。



 ハナ姉がタオルで顔を拭う。

 すっぴんでも快活で艶のある肌の美人さんだって分かる。

「それは正解。魔術師、お前が大人になれ!!!」

 大人になれと言われて。

 はいそうですよね、と...恨み節が下がることは無いだろう。

 一旦は飲み込んだ汚泥だが。

 本人を目の前にすると、こみ上げるものがあった。


 その()()()()をもう一度、ハナ姉は飲み込めと言っている。

 大事の前の小事として。

 ハナ姉も聖櫃の実質なトップが魔術師だと。

 モルドレッド卿という少女から聞かされてので、彼女自身の目で見ることにしたのだけど。

《他人の評価なんてものは、本当に当てにならんな》

 と、胸中でつぶやく。

 落ち着いた印象の紳士的な人物だと評されてた。


 が...


 魔術師を一瞥し直して、

《...ないな》

 思わず態度に出てしまった。

「なんだ今の仕草は?!」

 気になった魔術師が突っかかる。

 これが紳士的か。

 いや、外面がいいだけの若い男だ。

 ハナ姉やボクの周りでも、サバサバした男性は皆無に等しいけど。

 出会いの少ない関係性から少しでも引っ張り出すというのなら、普段はへらへらしているけど、平時と有事の区別が出来る大人が一人心当たりがある。

 エサ子の父だ。

 名は――未だ、いいか。

「話が先に進まなくなっている。これ以上、雑音を拾い上げる必要も無いだろう」

 ぞんざいに後頭部を掻く魔術師。

 くしゃくしゃに髪をかき上げて、

「ああ、分かった。今は、この辺でいい」

 納得はしていない。

 こういうところでも馬脚はでる。

《どう見ても、ガキじゃないか》



 王城の勢力は、泉州王の後継として寧懿の将位を正式に認めた。

 政府のほぼすべてが王城内にある。

 しかも、物理的に兵も指揮も足りないのは明らかだ。


 それらの士気を上げるために、若い将が必要だった。

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