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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1904/2364

- C 777話 帰還と反撃 7 -

 校舎裏に呼び出される。

 まあよくあるカツアゲだと思って、裸銭をポケットに忍ばせておいて。

「飛んでみろよ」

 と声でも掛かれば、2、3飛んで小銭を取られたら。

 憧れのシーンになる。

 こんなベタなのがやりたくて、間諜の少年は食堂で金をばら撒いて見せた。

 程よくステレオな同級生に奢ってたわけで。


 えっと?


 呼び出されて校舎裏に行けば――

 とんでもない数のガラの悪い生徒たちが居た。

 おやおや。

 どうしてこうなった?!ばりの驚きよう。

「いや、マジでなんすか...これ!!!?」



 南鳥浮島マーカスの学園都市は、中央に第一学園を置き。

 その周囲に5つの普通校を配置してた。

 なんの為か?


 決まってるじゃないか。

 優劣を子供の内から叩き込むためだ。

 また、羨望も集める。

 入学試験こそは平等に行われる――貴族だろうと、庶民であろうと関係なく。

 入学後も、編入試験は都度行われるので、実のところ。

 生徒にとっての安らぎなど、このマーカスに連れてこられた時点で喪失してた。


 じゃあ、はっきり言おう!

 この学校で学ぶことは等しく、国の財産になる事である。


 で、始点を戻そうか。

「あらら~ なんですコレ?」

 ガラが悪いだけなら、まあ、学園都市の外縁部にも居そうな予感はある。

 都市を運用するんだ。

 それこそありとあらゆる人材を募集した。

 人材も平均的に見れば、そこそこ使えるんだけど。

 格差は生じる。


 どこへ行ってもだ。

 格差が無いように見えても、格差は生まれる。

 そういう風に出来ている。



 例えば。

 運命でスキルが授けられる、宿命的な取得方法だとしても。

 戦士職に明るいのと、戦士職だと告げられるのとではモチベーションが違ってくる。

 剣術ってだけでも大小あるし...

 大剣を扱うのが上手い人に、小剣が好きな人。

 これが同じ戦士枠だとしても外見上、平等に見えるけど。

 本人たちからしたら不平等もいいとこだ。


 そうやって格差。

 妬みや嫉妬も生まれていく訳で...やさぐれもする。

「見たトコ、みなさん...落ちこぼれちゃった人、たちですか?」

 雲雀は失礼なことを口にした。

 自覚は無いけど、

 自信はある。

 さあ、飛べと言って――殴られた。


 あ、お腹はやめて!!

 赤ちゃん()()なくなる。

 アリスさん仕込みの変態モード。

「イチ学の奴らはそうやって...」

 手が出た男の傍に呼び出した本人がすがり寄る。

「ダメだよ、手を出したら」

 兄さんとか聞こえた気がするが、似てない兄弟。

 男の周りも似た雰囲気で、制止させてた。

 うん、これは学校側も行き届いた躾けの賜物か?


「っるせえ!!」

 巻き付いた腕を解かせて。

 ガラの悪さもあってか、怒鳴り散らす。

 呼び出した本人も小さくなってた。

「およ?」


「どうせ、カツアゲされると思ってきたんだろ?」

 三白眼の男から睨まれた。

 雲雀は口端の腫れを確かめつつ、

 その場で大きく飛ぶ。


 鳴るよりも重みで、脱げかけるズボンの方だろう。

 どんだけ持ってきたんだよ...

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