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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1903/2360

- C 776話 帰還と反撃 6 -

 大鳥浮島ウェーキは、例の監視島と合流してた。

 霧の濃い海域から動かない人工島。

 普通は島なんてのは動かない。

 星に繋がっているものだからで――人工島は正に、水に浮かぶ葉のようなものだ。

 あ、ゴミかも?

 バケツ張った水の上に、くるくると回る落ち葉。

 そんな...

「身も蓋もないこと考えないでおくれ、油まみれの坊ちゃん?」

 ボクの背に立つ親王陛下。

 口元には真新しそうな、純白のハンカチーフ。

 そんなに匂いますか?


 いや、そこじゃないか。

 ボクの背にあるのはあくまでも保護者の立場にある高貴なる人で。

 ボクの手元に注目して、

 次いで一緒に地べたに腰を下ろしている、総長さんに対する姿勢なんだ。

 この子はまた、こんな場所に座り込んでる――みたいな、感傷をだ。

「何を弄ってるの?」

 湖の乙女号に乗せた“乙女”号の整備中。

 かの潜水艦に倣って、ボクの方も魔導炉ではなく()()()のハイブリッドにして見ようかと思った。

 コスパは思った以上に悪くない。

 ただし、魔法で容量の問題を不問にしても、その魔力供給元もハイブリッド化した。

 どちらかが止まると、一気に負担も増す。

 咄嗟にダメージコントロールを、ゴーレム側で取捨選択できないと...詰むかも。

「精霊炉の小型化ですかね」

 思わず言っちゃあいけない人にぽろっと。

 ああ、ボクの馬鹿。


 目を輝かせる同胞がいる。

「なになに、どうやって小型化するの? どこを、どうやって、えっと大精霊じゃないの?!」

 なんて矢継ぎ早に質問が。

 今はさ、陸地の納屋で。

 今後の方針というのを探ってるんじゃないの。

「あ、それな。布哇と合流しないことには始まらんそうだ」

 ああ、そっか。



 ハナ姉もそんなこと言ってたなあ。

 だから自由行動になった、と。

 彼女は、今、摂州王と泉州王の烏と共に別室にある。

 台州に店を構えてた、アリスさんら変態の消息が消えたとかで。

 まあ、盛り上がって。

 あ、違うか。

「フリーランスの調停者として、君たちの協力者はこちらも、そして欧州ナーロッパも頼りにしていたのだが、うん。あのスパイどもを野放しにはしたくないというのが、本音だ。少なくとも、我々の同盟に対して敵対はしないのだろう?」

 聖櫃と、真・王党派、魔界のゆかいな仲間たち――っていう奇妙な同盟関係のこと。

 さあ、ボクらはアリスさんの行動に口を挟むことは無い。

 敵対されるなら、うん。


 何かの尾を踏んだんじゃないかな。



 南鳥浮島マーカスに閉じ込められた雲雀――が甲我衆の放った、間諜である。

 父は貿易商で、母が男爵令嬢だったという続柄の末子の少年がマーカスの魔法学校へ。

 背景設定としては不自然なことはない。

 東洋では珍しいことは無い。


 むしろ平凡すぎて、ありきたり過ぎた。

 成り上がり貴族ってのは...

 虐められるものである。


 特に貧乏上級生から。

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