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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1902/2359

- C 775話 帰還と反撃 5 -

 さて、話を整理しよう。

 布哇の浮島は、暗黒大陸(=北米大陸)に近い海域に合ったため、全力で南太平洋へ移動中である。

 とは言っても経済推進力は、18ノットで。

 島の大きさによって、体感では速さが感じられないという。

 まあ、仮に時速33キロメートルで走ってるんだとして――体感できる何かに置き換えるとしたら、ちょっと早いロードバイク(=自転車)か、或いはスクーター、乗用車の制限道路侵入みたいなもんだろうか。

 いずれにせよ。

 遅せぇー、遅せぇーな、コレー!!

 ってな具合。


 これが体感的に遅いと感じる、もう一つの理由は。

 アレだ!!

 水に由る抵抗問題。

 艦艇のように速く走るように作られてる訳じゃない。


 企画はみな同じなので。

 浮島のベースは皆、真円形かつ円柱スタイルであるということ。

 海底のドーム型都市のように、球体も考えられたことがある。

 いや、最初は球体だったとこへ、キノコの()部分が追加されてしまった。

 そこは大人の事情。

 結果としてみて――動くのが億劫になった。



 動けるのに動かない変な代物。

 だから18ノットはこの変な施設の最大速力だと思っても差し支えは無い。

 だってこれ、これが精いっぱいなんだもん。

 マナ鉱石だけでなく、風力発電や太陽光発電ででも、タービンを回せる未来感。

「違うだろうが!! マナ鉱石で出力アウトプットされたリソースを、すべて推進力に注ぎ込んでるだけだろうが。重油、石炭なんでもいいが...焼缶で水蒸気を作り出してタービンの羽根を回すとか、或いはガスを高温にさせて同じくタービンを回すなんて内燃機関と同じことをしている時点で、進歩がねえ」

 カイザー・ヴィルトの動力炉のように、マナ鉱石から魔力を取り出して精霊と同じ純粋なエネルギーに位相変換する技術なら、()()()()()()事象のイメージだけすればいい。

 物理上の抵抗係数なんて、世界線ごと違う次元に置き忘れていいレベルに成る。



 ガッチガチの物理法則に縛られた、浮島の目的地は南太平洋のとある緩衝地帯。

 その海域は、万年霧の濃い場所として知られていて。

 摂州王がせっせと監視島を建設してたとこである。


 あ、先代の摂州王である。

 外から見ると、霧が濃くて危険視されてるんだけど。

 足を踏みいれると真っ青な空と、碧の海が広がった楽園だった。

 そんなトコに惚れこんだ先代王は、泉州王に別荘を作ってあげようと考えた――泉州王が実は女性であって、摂州王との間に直接的かつ間接、遠縁でもない関係性がないと知ってたんで。

 恋をしてた...一目ぼれである。

 摂州王は、親王の昔の自画像で惚れたんだけどね。

「魂の惹かれ具合って事で。じゃあ、気にしないです! なんて言われたら、どう接したものかと思うじゃないか。無下に袖にするという訳にもいかないし、かといって...OK! ベッドで寝るかーなんてフレンドリーに接するのも変と言うか」

 泉州王は律儀だった。

 好いてくれるのは拒まない。

 ただ、今の外見ではない。

 複雑。


 いつでも呪いが解けて、魂の帰れる場所は確保してある。

 先代摂州王が作ってくれた監視島の施設に移送された棺桶が()()で。

 その島から反撃の狼煙がある訳だけども。

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