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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1887/2366

- C 760話 マリアナ群島 遭遇戦 10 -

「――こちらは聖櫃の魔術師ガントさまに向けられたものだと」

 泉州王とともに後宮に囚われてた、

 聖櫃の総長ことメルリヌス嬢の救出が行われた。

 行きずりの、か。

 或いは計画的かは言及されてないけど、も。


 そんな情報はなしが、摂州王が率いる艦隊から関係協力の各所へ広まってる――その報告ながれから“布哇ハワイ”の浮島にも噂レベルで届けられていた。

 総長こそが、聖櫃の精神的支柱だと捉えている者は少なくないし。

 そもそも魔術師ガント本人が今すぐにでも、飛んでいきたいくらいに心配してた。

 なんせ、攫われてもケロっとしてる節の心底、()()()()()()であるから。

 いうて、そこまで芯が太い事も無いんだが。


 まあ、どちらか(=いずれかの浮島)が移動できれば、かなり心強いんだけど。


 浮島が建造された理由は至極、分かり易い。

 軍事拠点たる目的などは、後付け設定に過ぎず。

 海底都市でしか確保できなかった陸地を、陽の当たる場所に確保したかった。

 単にそれが目的の農政プラントなのだ。

 故に。

 浮島の機動力は、絶望的だ。

 そりゃ迫ってくる台風よりかは早く動けるし、自然界からの逃亡には日常茶飯事だけども。

「――この通信には聊か不審とでも言いましょうか。不可解さがあるようです、白服の連中が使うものとはこう、別の聖櫃の独特なともいうべき節回しのような暗号でして。我々も、メルリヌス嬢から乱数表を渡されていなかったら解けなかった。そんな類の」


「ふむ、あて先が違うか」

 近海に聖櫃の関係者があればいいな、か。

 或いはピンポイントで補足したから、こうした回りくどい方法を利用した。

 そんな不審さを彼らに抱かせている。

「ほぼ潜水状態にあった本艦を狙い定めたかのような、罠と言う可能性も」

 罠を敷くのであれば、救難ビーコンでいい。

 聖櫃の暗号が解けるかなんて博打もいいところだ。

「宛先が我々だとして、彼らは何を望む?」

 発令所の海図台を挟んで睨み合う将校たち。

 上半身がシャツか裸だから、一見しても誰がどんな役職で階級は何かなんてわからない。

 けど、彼らはこんな男気ムンムン立ち籠める中で、もくもくと仕事してた。

 中には()()()()性癖もあるかも知れない。


 ただ、いちいち考えてると。

 仕事できなくなるよね。

 ボクにも分かる。


「藪を突いてみるか」

 無視して友軍だった時の方が少し、心が痛む。

 皆の頭が縦に動いてた。

 納得はしてくれた模様。



 “コウテイ・マンタ”から飛び立った、ペンギン型のゴーレムは着弾観測で上がった訳では無かった。

 最浅度で潜航して辺りを伺ってた船に注目してて。

 これの軍旗が揚がるのを待っていたのだ。

 そして――()()()()


「上手くいったようですね?」

 作戦の提案は、十恵おねえさま。

 あー、えっと。

 今はセラフィムなんちゃらって名前だったかなあ。

 もう、いいや。

 忘れた。

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