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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1886/2354

- C 759話 マリアナ群島 遭遇戦 9 -

 “コウテイ・マンタ”のブリッジにウサギ艦長に代わって、椅子を温めるのはキルダ・オリジナル。

 この聖櫃騎士団追撃部隊の最高指揮官である。

 ただ今、事情が変わって聊か、複雑な事情のど真ん中にある。


 えっと。

 地獄の一丁目一番地みたいな...感じだろうか。

「ハナ殿からの電信です」

 細長い短冊が、キルダの下へ。

「本気か?」

 短冊を渡した者も、単に送られた短い言葉を書き起こしたに過ぎない。

 ここに感情の申請書は、ちょっと難しい気もするし。

 不謹慎にも。

「いや、確認だ。...っ、雲の切れ間でも利用すれば、確かに敵艦の攻撃も容易だろうが。敵方にこちらの身バレをしてやることもないだろ。いや、マルの事しか目に入らないあの義妹バカが、こうも焦ったことを()()()()()するのだ」

 壁に掛けられてる黒電話の受話器が上がってた。

 しかも、少し前からスピーカーフォンにもなってて。

「結局、狙撃?」

 その声は。

 舷側砲甲板に出向いてる巨乳姫。

 シーモンキー族の将軍だが。

 なぜ、そこにあるかは不明。

「ウサギが仮眠中だからな。私が、代わってやってるのだ。フィズらにもう一度、観測機で飛んでもらいレーザー誘導でもして貰えれば...な。この軍艦の火器システムを利用すれば、スマートな撃沈も可能だろうが。どうも非効率的だ」

 汗でぐっしょり濡れて、オイル塗れのボクを吸いたくて仕方のない、ハナ姉の限界と。

 夢心地だった彼女の眠りを妨げたことで、苛立ちがマックスにある。

 そんな寝不足な軍師が出した攻撃要請。

 疑われても仕方がなかった。


 あ、いや。


 ハナ姉が寝不足なのは“湖の乙女”号の発令所のみの知るところで。

 そんな彼女でもいいからと、傍らに置いているのがヴィヴィアンさんなのだ。

 本当に後悔しない?

 と、数度の念押しをしたのはハナ姉本人だ。



 潜望鏡深度までに浮上した船がある。

 およそ6メートル下にセイルがあって、カメラがぐるりと見渡してるとこ。

「今、電信が。読み上げますか?」

 発令所の連中は上半身、裸のいかにもガラの悪そうな連中だ。

 が、その中ではかなりまともな男が頷く。

「泉州王、摂州王殿下ともに旗艦に移られたとのこと、また」

  相槌が打たれて。

大鳥島ウェークの浮島の掌握に成功したそうです」

 別動で浮島には千人の兵士が紛れて、上陸し。

 まあ、瞬く間に各要所の制圧に掛かった訳だ――数時間の激しい戦闘はあったみたいだけど。ウェーク浮島が観光用施設でなくて良かった。まあ、表向きは農政事業が展開されている、王国の自給率向上が研究と生産、出荷される生命線ではあるんだけど。

 所詮、軍事基地。

 水面下には巨大な軍事施設が隠れてた。

 千人から成る懲罰大隊の証言だと、稼働実験にまで漕ぎつけた、外強攻殻フレームによるパワードスーツだという。装甲殻には魔術紋が彫られて、耐性の強化や対物理強化などが図られてたとか。

「ふむ、動いたな」


「それともう一つ...聖櫃へのメッセージが」

 やや、不審そうな空気が。

 セイルに満たされる。

 いや、これは誰かのワキガの可能性も...

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