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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1884/2354

- C 757話 マリアナ群島 遭遇戦 7 -

 自衛なら自衛でもいい。

 ただ、その自衛は単に先伸ばしにした、撃墜って結果の悪あがきにしかならず。

 ここで撤退が可能であればワンチャンス。

 見逃してくれるんなら、弾薬すべて打ち切れる覚悟がある。


 が、現実じゃあ。

 今までのある差のツケが回ってきたわけで。

 そろそろ補給したいところだ――マナ鉱石の予備にも手をつけているから。

 例の如く信心深い少年兵が、皆の無事を祈願してた。


 さて、怪鳥ゴーレムの高度が僅かに上がる。

 その様子を見てた“コウテイ・マンタ”から無線電信が飛んできた。

 公にされてる欧州連合軍のオープンチャンネルでだが。

 キルダさんらが何で知ってたかは、ハナ姉にあとで問い質そう。


 で、慌てたのは怪鳥ゴーレムの方。

 だって、こんな太平洋の、海だけしかない世界にだ。

 欧州連合だって名乗る友軍に出会えたから。

 そりゃ、まあ。

 探すわな。

『当該機は君らの上空にあるが、探すな、そして見るんじゃない。こちらは作戦行動中である!! しかし、友軍の危機に際して文字通り、高みの見物も“信条”が痛む故。ここに我らが手助けしよう...当該海域からの速やかなる離脱の一助とされたし』

 まあ、そんな内容の暗号文だった。

 オープンチャンネルだからって平文で通話したら、怪しまれるから。

 最低限の礼儀のような。

 まあ、そんなとこ。



 信じたかな?

 なんて、キルダさんは思わない。

 それでも離脱しないなら、構わず射撃しただろうしさ。

 怪鳥ゴーレムが台州方面へ機首を向ける。

『離脱の助力に感謝する!! どこの誰かは分からんが、ありがとう』

 悪い気はしない。

 さあ、存分に撃ち込んでおやりなさい。



 “コウテイ・マンタ”級の舷側砲郭ケースメイトには、対艦スケールの155ミリ単砲がある。

 こいつはそうだなあ。

 この時代でなら、軽巡洋艦の主砲クラスだと言うとちょっとは頼もしいだろうか。

 これが12門あって。

 集弾補正が各砲郭ごとに行えるから、2射目以降の火力は期待値が格段にはね上がる。

 いや、2射目が必要かどうかも。

 そういう精度の対艦砲ってことだが。


 怪鳥ゴーレムの帰路を見事に避けて、射撃された。

 偵察戦隊側の被害は今のところ見当たらない。

 射撃しているサイドが雲の上からとか。

 考えられなくもないけど。


 赤く灼けた砲弾が雨のように降る。

 速射モードによる精密射撃ではないが、マーキングした怪鳥には当たらない補正は掛かってた。

 これがボクたちの技術だが。

 ヴィヴィアンさんらに見せるのは早計だった、か。

「な、なにこれ?!」

 どこからの射撃ってはしゃいでて。

 まだ浮いてたカメラブイの本体がぐるんぐるん回ってて。

 波間にもまれて気持ち悪い。


 そうだ、あれ。

 このブイ、真上は見えないんじゃなかった?

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