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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1883/2354

- C 756話 マリアナ群島 遭遇戦 6 -

 さあて。

 偵察部隊が目撃したのは、例の怪鳥ゴーレムだ。

 まだ、飛んでたんだっての方が驚きで。


 あっちこっちで騒動のタネになってた。

 いわゆる迷惑なご近所さんポジの一行ってなるか。

 南西海域の“琉球”ドームから上がった、水上器ウイッチから追撃を受けたのも束の間。

 これらの少女たちを唐辛子爆弾で撃退する。

『はーはっはっはー!! 子供は寝てろバーカ!!!!』

 口上がもう。

 目を擦って、鼻、口を両手で覆った少女たちがバラバラと堕ちて行く。

 その高度...死にませんか?


 まあ。

 そんな事をしでかした、怪鳥に二つ名が贈られる。

 名誉でも不名誉でもない。

 彼らが礼を尽くして受け取った訳じゃないから。


 その名:“金羽の荒鷲”


 方々で、撃ち落とされた少女、少年たちが名付け親。

 自分たちから空を奪った怪鳥。

 翻した翼が西陽で金色に輝いていたところから浮かんだという。


 そのゴーレムは自由だったという。


 ボクが思い描いたとおりに翼を広げ。

 空を駆ける――美しかったろうなあ。



 その鳥が戻ってきた。

 もう体中、傷だらけで。

 どこまで飛んで行ったんだよ。

 カメラブイの映像を盗み見ているボクは、少し嗤ってしまった。

 で。

 発令所のみんなと同じように、感じる。

「「また、こいつらか」」

 と。


 難局なんて去ってもいないけど。

 まあ、どちらかと言うと――おかえり――ってとこかな。

 腐れ縁だわ。

『飛行班長!』

 怪鳥ゴーレムの機首に居座る操縦士ふたり。

 交互にパッドを握って、仮眠、休憩、変態機動で空中戦もして。

 この特殊機に乗り込む前から、ベテラン過ぎるほどの技量だったけど。

 より一層の技術を身に着けて。

「ああ、見つけた! 俺たちの本命だ!!!」

 格納庫から親指を上げて、感涙。

 囮魚雷に騙されて、迷子。

 向かう先々で、東洋王国から手厚い歓迎を受けてきた。


 見失ったと思ったら。

 大精霊の消滅痕が観測されたんで、痕跡をたどってここまで来た。

 ああ、なんちゅう感度のいい観測器、積んでんだよ。


 歓声が上がるのは良い事だと思う。

 眼下の敵戦隊も似た感じで、にぎやかな雰囲気。

 そりゃお尋ね者が。

『ちょっと厄介な話が』

 黒電話をスピーカーに。

「何が厄介か」


『...っとですね、こちらに俄然やる気な船団が。見るとこ、偵察軽巡洋艦が混じってまして』

 彼らも少しは喉がなる状況へ。

 潜水して隠れてるボクらの為の爆雷はあれど。

 水上器ウイッチの撃退には武装の温存で、胡椒やら唐辛子なんかの食材で代用して。

 彼らは貧相なレーション暮らし。


 何度も耳の穴をほじって、聞き返してた。

「ぶ、ぶそう...は?!」


『機首の20ミリが100発程度。あとは、翼下の30ミリ...残弾が携行の20%以下。格納庫に備砲の105ミリ短口径があると思いますが? 装弾数はもっと心許ないと思いますよ』

 聞きたくなかった。

 そもそも105ミリの展開は、無理に乗せた索敵用備品のせいで稼働不可に陥ってて。

 解決案もない。

「ちぃ、詰んだか」

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