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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1878/2361

- C 751話 マリアナ群島 遭遇戦 1 -

 旧時代にあった“南西諸島”。

 一応、この近くに海底都市“琉球”ドームがある。

 いや、あるらしいという不確かな情報で、当艦のソナー、レーダーのいずれかの技術を用いても見つからなかった、いわゆる伝説の海底都市という事だ。が、遥か上空を飛ぶ“コウテイ・マンタ”級の八つの目すべてが知覚困難なドームの痕跡に気が付いていたという。


 彼らがなぜ教えてくれなかったのか。

「だって聞かないから」

 拗ねてるように聞こえるのは、真に拗ねているから。

 ボクたちは、彼らとの定期連絡を忘れていたんだ。

 思い出す者も皆無。



 南西海域警備隊――中欧艦隊から発した怪鳥ゴーレムに絡んでた、駆逐艦の所属部隊だ。

 縄張りは“琉球”ドームの周辺海域で。

 最前線基地は、中規模の浮島“尖閣”だという。

 駆逐艦12、水上器母艦2隻を配置している軍艦島。


 ちょっと中二病が擽られる響。

「何が?」

 ハナ姉なら分かってくれると思うけど、

「軍艦島だよ!」

 すんと反応が薄い。

 おやおや?

 軍艦、戦車、えっと列車砲には興味津々だったのに?

 おやおや?

「なんか、お腹下しそう」

 食あたりか!

 だよなあ~ 美味しいもん喰いすぎて飽きたかー。


 ま、あれだ。

 ボクたちの遭遇する可能性が出てきたのは、別の駆逐艦。

 西南諸島を越えて、

 いあ、もうない島々だけど。


 そこら辺から、南下し過ぎちゃってて。

 東洋王国・元帥府“聯合艦隊”と鉢合わせになった。

 カリマンタン島攻略も成し遂げて、セレベス・スールー海域の掌握にも成功した今や常勝無敗の無敵艦隊――ったく安直にもほどがある。

 誰が名付けたんだよ...。



 そうそうヴィヴィアンさんはマイクを手放さずに、

『――魔術師ガンドと通信ブイを揚げて、連絡がついたところだ。(咳払いが聞こえた気がする)魔術師曰く、東洋の施設“布哇ハワイ”浮島の完全掌握に成功したというのだが、残念なことに。目下、この浮島の機動力では、我々と合流するには今暫し時間が必要となった。ゆえに、自力で当該海域に到達しなければならない』

 いい話という内容である訳だけども。

 続いて、

『シュノーケル深度まで上がりたかったが、電池がもつまでこの状態の維持が必要になった』

 と告げてた。

 ボクがハナ姉を見る。

 目端にボクの脱ぎ散らかしに酔いしれる、野獣が一匹いるようだが。

 その対比はあまりにも深刻で。

「どうしたの?」

 思わず場違いのような質問をしてた。


「(ハナ姉は顔を拭いながら)いあ、これから物資の配給性が始まる...ただ、それだけの話だ」

 まだ、きょとんとしてるボク。

 いまいちこう、心に落とし込まれないというか。

 納得できる内容でもなく。

「育ちがいいと、分かり難いか?」

 ちょっとカチンと来るけど。

 ハナ姉だし、嫌味でもないんだと思った。

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