- C 747話 集え、我が猛者ども 7 -
布哇の騒動は小さくは無かった。
白服が遺したのは明らかな敵対行動。
「このまま舐められたママって事は、ないんだろ?」
魔術師に詰め寄る古参騎士。
聖櫃騎士団は、4人の熾天騎士、8人の使徒騎士がそれぞれ“パラディン”として君臨し、総長と魔術師を支える組織構成となっている。
これら12人の聖騎士が古参。
白服として離反したのが修道騎士なんて形で呼ばれてた、現地採用者だが。
どうにも、右に左へと感化されやすくて困る。
◇
聖櫃の目的は、
彼らをかつては導いてくれた“賢者”を探しているのがひとつ。
与えられた役から人々を解放し、より高度に自由な救済を行うものとしている。
その救済が今のところは、旧時代の理解不能なる技術の押し売りって事になってて。
理解できる人々なんて一握りだろうと思う。
それでも、信念をもって振りかざしてるんだから...
真に欲する者には、救済を。
権力の維持を目的とした者へは、破滅が与えられる――この条件は聖櫃がシステマチックに算出しているものではなく、誰かの感情で差配されているところ。
今のところだと、メルリヌス総長であろう。
魔術師だともっと冷酷で無慈悲だ。
「舐められた、か」
いち事象からすると、確かにそんな具合にも見える。
白服としていや。
聖櫃の窓口としての実績は十全に示した。
戦争継続にしても、東洋を勝たせるとか思いあがっていなければ、だ。
権力の中枢でふんぞりかえっていられる。
それが、慌てて技術の引き出しに手を掛けようとした...つまり。
「つまり、あれらは焦っている!!」
魔術師の導き出した答え。
まだ、漠然としている。
今、もっと確実な実績が必要だと思ったから、古巣にちょっかいを掛けた。
聖櫃騎士団が単なる技術バカであるならば...
魔界でみせた、セールスと観測、すぐさま応用と実践で解雇。
必要であれば現地調達のセールスマンは幾らでも切り捨てる冷酷さのアレは、魔術師の采配だけど。
白服もそうしようと考えた。
「焦ってる? 何がってのは...ああ、魔術師の考える領分だな」
それぞれの熾天騎士が頷く。
「だが、それでも今後、あいつらは余剰武力で迫るな」
目に見える世界線。
“倭島”で建造される艦船は、大小に関わらず、完全自動化による24時間生産体制。
人が関わるのは操艦する時だけだろう。
“倭島”の修復や増改築だって完全自動化である。
えっと、人いらないねえ~