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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1872/2354

- C 745話 集え、我が猛者ども 5 -

 内務省内で発足した特別高等警察は、先述のとおり政治犯やスパイ活動の他に、王国の意向に従わない者を罪状にあやふやな点があろうとも、現場判断でどんどん捕縛する権利が与えられている――という、どえらい横暴な組織で。

 発足こそ内務省だったけど。

 結果的に、組織まるまるが後宮府へ、異動させられてた。


 これが後宮府の姿だ。

 宦官たちが市中へ出歩くことが適わない。

 また、後宮府の私兵“屍”(=後宮内で重罪に手を染めた宦官を兵とする、懲罰部隊)と、女王の禁軍が手足となって、王都内で活動するという異常事態となってた。


 奥の院の出入りが赦されている、御用商人を通じ。

 女房のひとりが実家に託した紙片――後宮にあがった姫さまがたや、女房や侍女たちが戦犯として盗られられ拷問を受ける日々。明日か明後日にも()()()の番が回ってきそうです。お父さま、お母さま...先に逝く娘を親不孝と嘆かないでください――ってのが発見されていた。

 まあ、心配になった両親は大枚をはたいて、貴族に泣きつき。

 後宮府からは娘の形見とする品が返却された。

 紙片が真となったわけだが。



 布哇ハワイ浮島しまにある魔術師ガントの下にも、そんなきな臭さが届いてる。

 届けてきたのは袂を分かってる筈の()()どもだ。

 カイザー・ヴィルトの開かずの間に眠る技術の開示が目的だという。

 図々しい。

「お前らにタダで差し出すものはない!!」

 巨鳥の前には、純白の鎧を身に着けた者と。

 対する東洋兵士千人が対峙してた。

「魔術師どの? この兵力差でもそんな大口を???」

 その兵力は借り物だろと、トーンを下げる。

 白服らは総長の掲げる理想に共鳴したふりをして、何もかも奪おうとしていた。

 その足掛かりとして、御しやすい連中を引き込んだわけで。


 純粋に白服であるものは数人しかいない。

 その彼らが肩を竦めて、気怠そうに嗤った――借り物であろうと、兵力は兵力だ!!!とか。

「そう言うのはだな、相応の実力があるやつの台詞なんだよ。お前らなんて、聖櫃こちらの未解明な技術でマウントを取らなければ、コソ泥以下でしかないだろうが!!!」

 魔術師は彼らを挑発している。

 ライフルを構える兵士たち。

 一列目は、片膝を突いてしゃがむ。

 二列目は、半身に肩幅で直立して銃を構えてた。

 三列目と四列目は装填準備中である。

「撃たないとでも?!」


「撃って収拾がつくならやってみるがいい」

 魔術師が壁となっている自軍兵の前に出た。

 対峙する聖櫃の兵はサブマシンガンのようで...

 白服らはそのサブマシンガンも欲しいのだ。


 半ば、諦めたような。

 或いは残念そうに...

「本当にあなたは愚直だ!!」

 ダダダっと銃声が響く。

 布哇の湿気多い空気でも鈍く広がる破裂音だった。

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